№17 家の中の気圧を「正圧」に保つ

「正圧」の力で家の中に悪いものを寄せ付けない

気圧病を予防する家

最近、低気圧が原因の体調不良で悩む「気圧病」の人が増えています。私の妻も曇りや雨の日には頭痛に悩まされていました。気圧は目に見えませんが、人の健康に影響を与えているのです。気圧とは、空気の圧力の事です。例えば息を吹き込んだ風船が大きく膨らむのは、風船の内側から外側に広がろうとする空気の力の方が、外側から風船を押す空気の力よりも強いからです。

低気圧によっておこる体調不良を回避するヒントもこの気圧によります。すなわち、家の中の空気を風船のようにパンパンにして、外気よりも高い気圧を保てるようにするのです。このように住宅内に空気が詰まった状態を「正圧」と言います。

常に空間を新しい空気で満たしているため、外気の勝手な侵入を許しません。反対に住宅内の気圧が下がってしまうと、気圧は常に一定になろうとするため、住宅内に外気がどんどん入ってきます。こうした家の状態を「負圧」と言いますが、外の暑さや寒さが入ってくると家の中に寒暖差が生まれ、ヒートショックを起こす要因にもなります。家族の健康を考えるなら、家の中を正圧に保つことです。そのためには高気密の家を建て、第三種換気システムではなく気圧調整式第一種全熱交換機システムを基礎内に設置する必要があります。

家を建てる人の大きな落とし穴は、空気環境をコントロールする「換気性能」を見落としていることです。これからは窓を開けての換気がますます難しくなるでしょう。家の換気性能は、気密性、断熱性と同様に、家の価値に大きく関わっているのです。

「正圧」の家と「負圧」の家

●負圧と正圧の家の比較

負圧(第三種換気システム(給気量は少なく、排気量が多いため負圧という空気不足になりやすい第三種換気システムの家の状態

正圧(気圧調整式第一種全熱交換気システム)給気量が多く、排気量を自動調整し、正圧で全室同温室度を保つ「エクリア」(№18参照)で管理された家の状態