Vol. 29 2021年2月N通信

皆様 こんにちは!  中垣です。いや~、例年になく寒い日が多いですね~。残業で遅くに帰ることが多いのでとくにそう感じるのかもしれませんが・・・。今年の節分(おそらくこのN通信発送日)は、家でみんなで“セルフ手巻き恵方巻”の予定です。楽しみです~(^^♪。 せっかく家にいるんですから家での楽しみも必要ですね~。皆さんは、家での過ごし方もエンジョイされてますか??。もし、お時間があるようでしたら 私のWeb講座(頻発する災害なんかにふれてます^_^)。                              2月17日(水) 13:15受付  13:30~14:30「住まいの災害対策と復旧法」(はなきりん主催:詳しくははなきりんHPから)も覗いてくださいね~   |д゚)チラッ。

あとは、前回もお伝えしました、情報発信の第一弾!!           2月27日(土) 12:30受付  13:00~17:30           毎年恒例の 「建築業者では教えてくれない ”住宅計画“セミナー」を開催させていただきます!!。 今年は、コロナの影響で会場に入ってもらえる人数が、半分に制限されますので、参加ご希望の方は、大人気講座のため お早目のご予約がオススメですよ~。ご予約はご招待状が届きますので同封のFAX用紙で「お名前・住所・当日連絡がつく連絡先」を書いてFAXいただくか、事務局にへの電話予約か(電話予約06-6366-8701)感染対策も万全です!! たくさんのご来場お待ちしております(^^♪それでは 今月も頑張りますー(^^)/

~現場のお話~ 

最近のお問い合わせで増えてきていると感じる案件があります。それは、近年頻発している強風やゲリラ豪雨災害の復旧の依頼です。

去年の暮にも近畿圏各地で 風速19m/s の強風が観測されました。風速17.19m/s以上であれば風害として火災保険が使えますので、入っておられる方ならある程度保険で賄えるので安心ですね。火災保険の加入率は全体の約69%(建物)、家財に関しては50%とまだまだ少ない印象です。この強風で、今年の初めにもこの件でやはり案件があったので未来には増えていってしまいそうな気もしてしまいます。ひび割れや、欠けがなんと “43か所”もありました。今回は、雨漏りが発生したため発見できましたが 知らず知らずのうちに被災しているなんてこともよくありますので、この機会に点検してみてはいかがでしょうか??あまりにも強烈な災害なら防ぎようがない場合もありますが、ある程度の強風なら普段からのメンテナンスで 被害を抑えることもできます。いろいろなお家を見に行ったときに劣化が進行している状態で被災して、被害がひろがってしまうケースもたびたび目にします。

注意点としては、強風時に家の屋根瓦が飛んで行ってお隣の壁や窓ガラスが壊れたとき、災害とみなされたら賠償責任は発生しませんが 風災認定が下りずに、メンテナンスしていなかったなら賠償責任が発生する場合もあるので注意が必要です。もし 火災保険にも付保できる、個人賠償責任保険(安価)に入っていればこんな場合にも助けてくれます。あとは、被災していたなら工務店の見積書があれば、所得税の控除も受けることができます。すこし材料代なんかの費用は発生しますが、DIYとしてできるメンテナンスもあるので、点検するポイントや詳しい話が必要な方はお気軽にお問い合わせくださいね~(^o^)

【住宅診断】30年以上メンテナンスをしていない中古住宅を購入された事例

劣化したカラーベスト

先日、住宅診断で お家を見に行かせていただきました。

中古物件を購入されて どうすれば長持ちするのかが知りたいという案件です。
見たところ約30年以上はメンテナンスをされていないような状態です。

下の写真の状態は、
①壁の塗装が剥がれ、
②防水効果がなくなったまま年月がすぎると
③強アルカリ性のモルタル壁の中性化が始まり、
④モルタルの強度が下がってひび割れが発生して
⑤内部の下地とモルタル壁をくっつけている “ラス”という網目状の金属が錆びて壁が崩れ出した

と推測されます。
外壁の劣化

これは弱った壁をある程度はがしてから防水処理をして復旧すればキレイに戻せます。

次の写真はカラーベストという屋根材で、表面の黒くなっている部分は防水効果がなくなっています。
劣化したカラーベスト

雨水が乾かなくなり慢性的に湿っている状態が続いて水垢と汚れが溜まっている状態です。
近くで見ると全体的に苔もかなり生えています。
現状としてはカラーベスト自体にもある程度雨水が染み込み素材の厚みで雨漏りを防いでいるような状態です。

このままだとカラーベスト自体の風化が続いて屋根材自体も交換しなくてはなりません。
そうなる前にメンテナンス工事をしておくと、家自体も長持ちして毎回のメンテナンス費用も抑えることができます。

やはり、メンテナンスは大事だなと思わせてくれたよい機会でした。
どのようにメンテナンス計画をしていくか引き続きお手伝いさせていただいております。

家ってなかなかわかりにくいことも多いと思うので少しでも疑問に思うことがあれば早めに建築に詳しい方にご相談されることをお勧めします
もちろん私に聞いてもらっても大丈夫です!(^^♪

【雨漏りの事例】陸屋根でありがちな排水設備周りからの雨漏り

雨漏りで傷んだ天井

先日、お客様より 天井の雨染み跡がひどくなってきたと連絡があり
見に行くことになりました。

見に行くとこの写真のように雨染みが一部だけ集中的に発生していました。
雨漏りで傷んだ天井

建物の構造は“鉄筋コンクリート”という構造体で、屋根に上がると“陸屋根”という屋根でした。

下の写真は陸屋根に必ず設置する 屋根に溜まった雨水を流すための排水ドレンというものでその付近にはごみや泥がたまっており、よく調べると穴の内側に、ひび割れが発生しています。

ごみや泥がたまった排水ドレン
ごみや泥がたまった排水ドレン

雨染み跡の真上にあったのでおそらくここからの雨漏りだと推察されます。
後日改めて補修工事を行うこととなりました。
お話を伺うと、建築してから1回もメンテナンス工事をしたことがないとの事(>_<)

陸屋根はほとんどの場合部屋の真上に排水設備があり、普通の三角の屋根より雨漏りのリスクが高いので よりマメにメンテナンスが必要です。
部屋の中もくまなく点検していくと、断熱材がない造りになっており、結露のせいで 壁に貼られているベニヤも傷んでいました。

こちらは断熱工事を含めた改善計画をしていくことになりました(^^)

家ってなかなかわかりにくいことも多いと思うので
少しでも疑問に思うことがあれば早めに建築に詳しい方にご相談されることをお勧めします
もちろん私に聞いてもらっても大丈夫です!(^^♪

住宅を購入して11年目に気づいたトラブル!建売物件を買う時には気を付けて!

先日、お客様から、
「11年前に建売物件を購入された知り合いの相談にのってあげて」
と言われ、伺ってきました。

相談の内容は...

*****
この間、何年も放置していた庭のお手入れをしてたら
庭に大きな穴を発見したんです!
草をかき分け探っていくと、家の基礎の下にも続いていました。

慌てて住宅販売会社に電話をかけて見に来てもらい
作業をしてもらっていたんですが、
その対処方法を見て愕然としました!

土のう袋に砂を入れて基礎下に詰め込んで
「埋戻(うめもど)しておきましたので安心してください!」

返す言葉が見つかりませんでした。
*****

僕も、相談者にかける言葉が見つかりませんでした(汗

穴の大きさは人が2人くらいは入れそうな大きさで
もちろん落ちればケガもするかもしれませんし

今後現状放置することにより地震などで命の危険や
大切な財産を守ることが出来なくなる可能性もででくることでしょう。

簡易的な調査をしてみるともうすでに家は傾きはじめていました。

きちんと調査するには一度家を移動させる必要があるので
予算を考えると現実的ではありません。

応急処置にはなりますがあるていど基礎下を掘り起こして
コンクリートを現場打ちという工法で補強していくことで
お客様の不安は改善されました。

不動産業者さんは契約を目的に話をしますので、契約する前には建築知識のある方を連れて土地を見てもらうのがおススメです。
奈良市周辺なら僕に依頼してもらっても構いません。厳しい目で土地をチェックします(笑

家を解体してみると、前回の解体時の廃棄物が放置されていた!

これは本当によくある怖い話です。

先日お家の建て替えの依頼があり、お家の解体後の立会いに行きました。

この現場は大阪ですが、ちょくちょく遭遇する話なので投稿してみました。

解体前からも、ちゃんとした図面が無いので隣のお家とくっついている部分が解体してみないとわからなかったり
近隣6軒の下水管がここのお家の敷地内に埋設されていたりと
いろいろな問題がある物件でしたが

解体後の立会いでは、前回の解体の時に出たと推測されるごみや瓦の埋設物
など、多数の廃棄物がちゃんと処理されずに敷地内に放置されている状態でした。

これは実は、経験上よくある話の一つです。

ご存知無い方がほとんどだと思いますが、不動産取引の契約上、
現状渡しと言う条件がついていれば、良心的な不動産会社やオーナーさんでない限りこれの処分費は土地を購入された消費者さんの負担となります。

事前に知識があれば回避できたかもしれませんが、
ほとんどの場合は後での追加請求となります。

ほんとうに怖い話なので、土地の購入時には近くの建築専門家に意見を伺うことをおすすめ致します。

危険!ベランダの付け根に亀裂が…!落ちる?!

先日、「お客さんの自宅を見に行ってあげてほしい。」と行きつけの車屋さんから連絡があり
その方(Y様)の自宅に訪問させて頂きました。

内容を聞いてみると

Y様「実は・・・ ベランダが落ちかけているんです!!」

中垣「えぇぇーー! (; ・`д・´)」

案内されて見に行くと、ベランダの付け根の部分の外壁のセメントが幅2センチ、
縦に1メートルほど両サイドに亀裂が入っており、指が入ったので触ってみると
中の木材が風化してスカスカの状態でした(+o+)

崩れ落ちそうなベランダの上で調べている間は なかなかのスリルです。
Y様は、一体何年このスリルを味わっていたの!?
それとも根拠のない「落ちないだろう」と言う感覚だったのか?

よく見ると、ベランダの床にあたる部分も現在は当たり前に施工している防水工法ではなく
セメントがむき出しの仕上がりとなっており、改善点は色々とありそうなお宅でした。

話を聞いていると、周りのお宅も同じ工務店さんが建築されているということで
2軒はすでにベランダが落下して、下に置いてあった物干し台がつぶれたり
ゲートが凹んだりと恐ろしいエピソードを聞きながら、皆さんは家は“大丈夫”そんな根拠のない過信をされている人が多いのでは??? と不安に思えて来ました。

その後もついでにあちこち調べていくと和室の寝室の壁にカビが生えていたり
2階の天井に雨漏りのあとや、外壁のセメントの1メートル四方が膨らんでいたり・・・

Y様は私に、建築した工務店や、その後雨漏りの修理をしたリフォーム業者への苦情を
面白おかしく?!話しては頂きましたが、本当に困っておられる様でした。

対策としては、危険なベランダは撤去して壁をつたう雨の流れを止めない構造として
雨水の侵入し易い状況をなくしてから、腐食がしにくく交換が容易な後付けのアルミ製の軽いベランダに変更して、今後も物干しとして利用できるように提案。
屋根と外回りの不具合のある個所はすべてやりなおすことになりました。

家の強さや見た目も大事だとは思いますが、長持ちさせることの大切さを考えさせられる出来事でした。

火災保険が的要できることもあるようなので引き続き良い提案ができればと思います。

危険な屋根…。N通信 2月号(Vol.4)より

屋根の瓦にこんなビスの突出 (飛び出し) を見たことがありませんか??
普段はあまり屋根の方を“まじまじ”と見ることはほとんどないかも知れませんね!

これは、度々“強く吹いた風”により、瓦が吹き上げられカタカタと動くことにより、 ビスが持ち上げられ、突出したものです。

この状態をほっておくと次第に雨水が中に浸水してきて、いずれ中の下地が腐食したり、
室内に雨水が侵入してくるのです!!

この家の中だけではなく、挙句の果てには瓦が飛ばされたり、落下して通行人に当たったり、2次災害にも繋がりかねません!

そんなことになったら、人に迷惑を掛けるだけではなく、自分たちの大切な家も痛み高い賠償や、高い修繕費用が掛かってくることもあるかもしれませんね。。

ただし!! あまり知らない人が多いようですが、こんな時は火災保険が適用される場合があります!!

この機会に一度、大切な家の屋根を“まじまじ”と確認されてはいかがでしょうか??
気になることがあれば近くの建築専門家に相談されることをオススメいたします。

もちろん私でも、相談に乗らせていただきますよ!(^^)

現場のお話 ~最近よく耳にする事~N通信 2月号(Vol.4)より

写真は家の壁の内部に結露が発生して、吸水性の高いグラスウール断熱材に水滴が溜まり
施工不良によって、その重みで グラスウール断熱材が下にさがって柱や土台を腐らせ、
カビが充満している写真です。

もし、断熱が入っているのに寒いと感じるようであれば、ほとんど断熱の効果がなくなっている可能性があります。

ここまでくると、せっかくとった耐震性能にもかなりの影響が及びます。

実際にこの内部結露が原因となり、地震などで倒壊している家もあるほどです。

今流行りの、高気密住宅でも注意が必要です。 気密性能を上げるということは、電子レンジで料理をサランラップで包んで温めた時の 内側の水滴を想像してもらったらわかりやすいと思いますが、換気をするか湿度の調整が出来なければ余計に結露が起きることもあります。

その場合、調湿してくれる素材を使うか、壁内部に湿気が侵入しないような対策をとるのかなど工法にも注意が必要です。

さらに、断熱材と一言で言っても、セルロースファイバー、グラスウール、ロックウール、現場発砲系ウレタンフォーム、羊毛断熱材、フェノールフォーム、押出法ポリスチレンフォーム発砲スチロール、硬質ウレタンフォーム(板状)など、断熱材にはいろんな種類があり、メリットやデメリット、使い方を間違えると家をダメにしたり元々効果が薄い物もあります。

断熱材、工法なども含めて 専門的な知識のある方に相談されることをお勧めします(^^)

はなきりんの住宅計画DVDで断熱の事もしゃべっているので是非ご覧になってくださいね(^^♪

かつて流行ったデザイン「飾りの幕板」が原因の雨漏り

雨漏り箇所

こんにちは。中垣です。

先日、事務所にお客様から連絡があり、

お客様「玄関の上の天井のようなところにある雨染みのような形がどんどんひどくなってきてるんです!上にはベランダがあるのでもしかしたらベランダが漏れているんでしょうか??」

「わかりました、とりあえず確認しないとわからないので見に行きますね~。」

ということで、現地確認に伺った際の写真がこちらの写真です。

雨漏り箇所
雨漏り箇所
飾りの幕板
飾りの幕板

上側の写真の丸く囲ったところ全体に雨染みの跡が広範囲にわたっていて、見たところ慢性的に何度も濡れている状態のシミが伺えます。
調査をしていくと上部にあるベランダの防水層は、確かに表面にはひび割れが発生していましたがその下にある本当の防水層は割れていなかったので防水層からの漏れでは無かったのです。
建築に長く携わっている方だとすぐに疑うところは下の写真の“飾りの幕板”です!
建売りの建築物が流行っていた当初にはよくこのデザインの幕板が使用されていて、これが原因で雨漏りが発生するという現象をよく耳にしていました。
調査を進めるとやはりここからの雨水の侵入が原因でした(+_+)

後は、外壁の素材がサイディングというものでこのタイプはジョイント部分にコーキングという防水目地の定期的な交換と、外壁自体に10~15年ごとに塗装メンテナンス工事が必要です。

あらためて、水の流れを止める構造を採用すると雨水の侵入のリスクがあがることと定期的なメンテナンスが必要だということを再認識させてもらえた調査でした!!

後日改めて内部の腐食の調査に伺う予定となりました。

少しでも疑問に思うことがあれば早めに建築に詳しい方にご相談されることをお勧めします。
もちろん私に聞いてもらっても大丈夫です!(^^♪

台風の被害で雨漏り

先月、超大型台風21号が日本列島を縦断し、死者が出るほどの影響を
日本にもたらしました。

この台風による大雨で奈良県、三重県にまたがる名張川、宇陀川や
奈良と大阪を流れる大和川が氾濫。
各地で冠水するなど地元奈良にも多大な被害が発生。

奈良の中でも僕の住んでいる奈良市内ではそれほどの被害も報告されず
風は少し強いものの、雨量はそれほどでもなかったので心配するほどでもないかなって
胸をなでおろしたのもつかの間・・・

玄関の方から嫌~なポツポツ音。

恐る恐る見に行ってみると悪い予感が的中です。
1階の天井から雨が氾濫!!

慌ててバケツを下に・・・

天井からの距離が遠すぎて、溜まるどころかすべて飛び散って周辺も水浸し
てんやわんやの1日でした。

まさか、こんなところに台風の影響がでるなんて(+o+)

普段から、雨風もしのげない建物なんて家じゃないと思っていただけに
なかなか考えさせられる体験でした。

僕は結婚が早かったので、それに合わせて右も左もわからない状態で
いわゆる、建売住宅を20年前に購入。

20年前に建売を購入した、当時20歳の僕はほんとに何も考えずに
安さだけを求めて、無計画に

「今35年の住宅ローンを組むとローンを払い終わる55歳の時は仕事も現役で心配することは何もない。」と、

薄―い想像と人生勝ち逃げくらいのノリで建売住宅を購入。

それから数年、何の知識も無かった僕は夏は暑く冬は寒い家の中で
「夏は暑くて当たり前、冬は寒くて当たり前!」
という、感覚で日々を快適に!?過ごしていました(汗

知らないって恐ろしい(+o+)

時代背景もあるから仕方ないのかもしれませんが家族にとってはいい迷惑・・

しかも、1階LDKにある収納の奥行きはなんと30センチ!!

2階の子ども室にある収納の奥行きもなーんと・・・30センチ!!
1階の部屋は収納すらありません。

2階押し入れの天井にある点検口を覗いてみると両となりのお宅の天井裏と繋がっていたりと
ツッコミどころが満載です!!

唯一良いところがあるとすれば、悲惨な状態の家に住み続けることによって
皆さんに悪い例の情報を発信することができるというところでしょうか(笑

また発見があればお伝えしていきたいと思います。