№60 2030年の電力事情を見据えた家をつくる

社会の変化に振り回されない暮らしをつくる

ランニングコストをどう抑えるか

最近「こんなに電気料金が値上がりするなら、太陽光パネルを設置できない家は建てなかった」という苦情が後を絶ちません。現在、火力発電の材料となる原油や天然ガスの価値が上昇し、また、ロシアのウクライナ侵攻により先行きはさらに不透明な状況です。生活必需品は軒並み値上がりし、家計を圧迫しています。当然、家の建築費も高騰し、住宅ローンの支払いも重くのしかかります。とはいえ、ローン返済は避けられないので、それ以外の出費を減らさなければなりません。ただし、それは生活の質を落とすということではなく、最初からランニングコストのかからない家を建てるべきだったのです。

電力の固定価格買取制度(FIT)は、「10年間は国が責任を持ってこの価格で余った電力を買い取ります」というものでしたが、現在は発電量が需要より多い時は買い取りません。設置費0円というPPAモデルのような契約をしていると、EV車の充電のために電力を買うことになり、ランニングコストを抑えるのは難しいでしょう。これから家を建てる皆さんには、この国の2030年を見据えた家づくりをしていただきたいと思います。そのためには、皆さんの家づくりに関する習熟度を高めることが何より大切です。

これから電気代はますます高くなります。PPAは太陽光発電の初期費用や維持費はかかりませんが、契約で蓄電池、V2Hが設置できない場合があります。つまり、EV車を導入しても自宅の太陽光発電を利用できないのです。

№59 電気不足でも安心に暮らせる電力系統オフラインの家

今後ますます問われる家の省エネ性能

本格的な電気不足が始まった!

2022年6月8日は猛暑の影響で7月の電力予備率が西日本では3.8%、東日本では3.1%になるという報道がありました。さらに2023年の1月の電力予備率はマイナス0.6%になる見通しで政府は全国的な節電を促すために、「電力需給注意報」と「電力需給逼迫警報」という新たな呼びかけを行うとのことです。また、この警報が出ても節電に協力しなかった企業に罰金を課す「電力使用制限令」という新たな措置まで実施されることになっています。

電力予備率とは、電気の需要と供給のバランスを見るための指標のようなものです。安定的な需給バランスを維持するには7~8%の予備率であることが望ましいのですが、冒頭のようにこの夏の予備率は3%台、冬に至ってはマイナスですから、日本の電気不足はかなり差し迫った状態だと言えます。もし電気の需給バランスが崩れると、大規模停電になる可能性があります。その時、あなたの家は大丈夫でしょうか?

「smart2030令和の家」は電気を自給自足し、電力需給逼迫警報時でも電力会社から電気を買わずにオフラインで暮らすことができます。深刻な節電情報にわずらわされることもなく、ご家族が普段通りに暮らすことができるのです。

 

№58 人生の「資産」になる家を建てよう

重荷を抱えた人生は終わりにしましょう!

20年後の人生のために

私は、家が人生の荷物になるような事態は避けるべきだと思っています。コロナ禍のクラスを経験しながら、その思いはますます強くなりました。もはや毎年当たり前のように給料が上がり続ける終身雇用は崩壊しています。未来の保証などどこにもないのです。さらに言えば、いつ、どこで、何が起こるかもわからない時代です。もしかするとご主人が怪我をするかもしれませんし、あるいは、ご夫婦が離婚するような事態もあるかもしれません。そんな時に、家が重荷になるようでは、まさに「負債」でしかないでしょう。そのようなことにならないよう、「資産」になる家づくりをしていただきたいと願っています。

「資産」になる家は、人生とともにある家です。ご家族と幸せに暮らす家は、本当に大切です。しかし、子育てが終わったら、次の人生を楽しめるように「資産」を活用していただきたいのです。そのために、まずは20年後に売却できる家を検討すべきだと思います。資産価値の高い家を建て、高く売却し、ローンという借金を終えて新たな家で新たな人生を満喫しましょう。そして、新たな家ではリバースモーゲージを利用します。これが自分の家で最後まで暮らしながら誰にも迷惑をかけずに人生を全うできる方法だと思うのです。

今後、住宅をーんは残価設定型が主流になると思います。後々のリユースまで想定し、高い資産価値を持ち続ける家を建てる。そして売却後は好きな場所で暮らす。こんなふうに人生を楽しめる家こそ、真の長期優良住宅だと私は思います。

リバースモーゲージとは、自宅に住み続けたままで、その家を担保に生活資金や老後の資金の借り入れを行う貸付制度です。住んでいる間は毎月の利息分だけを支払い、契約者が死亡した時に担保の自宅を処分し、借入金を返済します。毎月の出費を抑えられるので、無理なく日々の生活を送ることができます。

 

№57 省エネ性能の高さが家の価値を高める

ますます重要になる省エネ性能

省エネを考えないと損をする⁉

2022年10月1日、住宅の省エネ性能評価方法が変わります。これまでは断熱性能はZEH基準である等級5が最高基準でしたが、今後は等級6、7が新設され、一時エネルギーの基準にも新たな等級が新設されます。さらに長期優良住宅の認定にも、省エネ対策の強化が求められます。建物の省エネ対策には今後のロードマップも提示されており、2030年には新築住宅はZEH基準が確保されること、また、2050には中古も含めた平均でZEH基準が確保されることを目指すとしています。つまり、これまで最高の省エネ等級だったZEHの家が今後は最低基準となるのです。

これから家を建てる人には、ハードルが上がったように感じられるかもしれませんが、実は高品質な家を建てるチャンスでもあるのです。国は新築住宅に高い省エネ基準を求める一方でさまざまな支援策も用意しています。例えば、住宅ローンで「フラット35」を利用する場合、家の省エネ性能によってローンの金利の引き下げ条件が変わります。家がZEHや長期優良住宅の認定基準を満たすことで、住宅ローンの条件が有利になるのです。資金計画を考える時、家の省エネ性能がその後のコストを左右することを忘れないでくださいね。

2022年10月には火災保険料も大幅に引き上げられます。その背景には、多発する自然災害により保険金の支払いが急増していることがあります。省エネも含めた家のレジリエンス性能は、保険料の負担にも大きく関わってくる問題です。

№56 省エネ性能を評価する「BELS評価書」

マイホームの資産価値を証明するたった一つの方法

これからの家づくりに必要なもの

現行の改正建築物省エネ法では、工務店やハウスメーカーは家の設計に際し、お施主様に対して①省エネ基準への適否、②(省エネ基準に適合しない場合)省エネ性能確保のための措置について、書面で説明することが義務付けられました。お施主様が建築を依頼すると、工務店は「この断熱材をあと〇cm太くすれば、ZEH基準の外皮熱貫流率(UA値)をクルアした省エネ住宅になります。」などと、省エネ基準に照らし合わせて書面で提案します。もしお施主様が「余計に費用がかかるから、このままでいいです」と提案を受けなかった場合、当然なら家の省エネ性能は上がりません。新しい家が快適でなかったとしても、それはお施主様の責任ですし、省エネ性能が低いと税や住宅ローンの優遇も受けられず、将来の価値も上がりません。これからは家の省エネ性能が今まで以上に厳しく問われます。つまり省エネ性能の高い価値のある家を建てていれば、売却の際も高く売れるということでもあります。

現在、家の省エネ基準を証明する方法は「BELS評価書」しかありません。その家が次世代につなぐ住宅性能であることを保証する重要な証明書ですから、家を建てるときには絶体に発行してもらい、保存しておきましょう。

BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)は、建物の省エネ性能に特化した第三者認定制度です。BELS評価機関に申請すれば評を申請する際にも資料として活用できます。

BELS表示マーク

BELS評価書では、家の省エネ性能のランクが5つの星の数で表示されます。星2つ以上なら省エネ基準に適合、星の数が多いほどランクがあがります。評価書の下部には、省エネ基準適合の可否をUA値(または、冷房期の平均日射熱取得率を示すηAC値)を記載することが可能で、その家の省エネ性能のアピールにもなります。

№55 無責任な工務店に家づくりを頼んではダメ

要望を叶えるだけが良い工務店ではない!

未来を見ている工務店を選ぶ

我が国の空き家対策は終わることのない社会問題です。これから手をかけて再生するにしても、コストをどこまでかけるかを考えれば、このまま消失する家の方が多いでしょう。いわゆる未来に価値のない家づくりであったのです。これは家を建てたお施主様だけの問題でなはなく、習熟度の低い、未来を予見できない工務店の責任も大きいと思います。

わが国には多くの工務店やハウスメーカーが存在し、そこで働く設計士たちがさまざまな間取りを考えています。これだけあれば、ある程度は固定的な建築ルールにのっとって家が建てられてもおかしくないと思うのです。しかし、工務店や家づくりをするお施主様の要望を聞くだけ聞いて、無責任に家を形にする会社もあります。家に壁をたくさん立てて、昼も暗い、動線が悪い、そんな家を建ててしまうのです。

そもそも日本の家の省エネ基準は世界基準でみても低すぎます。2030年までに全ての戸建て住宅をZEH基準にするという国の方針が決まっているので、電気を自給自足できない家を建てれば2031年にその家を売ろうとすれば格安になるということになるでしょう。

今の日本では、75戸に1戸は空き家だと言われています。これからは新築編重の考え方から、あるものを長く住み継いでいく考え方にシフトしていくでしょう。ただし、次の人が住みたいと思うような価値のある家でなければ残すことはできません。

№54 先々まで見据えた家づくりが成功する

初期費用が安ければそれで大丈夫ですか?

すぐそこの未来より10年後をみましょう!

ハッキリ言えば、いい家を建てるとそれなりの金額は必要です。これからの時代に対応する設備を備えようとすれば、費用は必要になるのです。ただし、だからといって費用負担が重いと考えるのはチョット待ってください。一般的なスマートハウスの初期費用と建てた後の維持管理費用は、一般的な住宅は建築費を安く抑えることができますが、その後は光熱費がかかり家を維持する費用負担が大きくなります。また、空気環境の悪い家で暮らしていると医療費もかさむかもしれません。

一方のスマートハウスは、建築費の他に太陽光発電等のさまざまな設備費用が必要になります。初期費用は一般住宅よりも高くなります。しかし、その後の光熱費は大幅に削減できるので維持管理コストも削減が期待できます。ZEH基準をクリアすると様々な補助金や優遇措置を受けられ、さらには自宅で創った電気の余りを売電することもできるのです。

ほとんどの人はマイホームの購入時に35年の住宅ローンを組みます。家のコストは家を建てる前だけでなく後のことまで考慮することが重要なのです。あなたはどちらの家が得だと思いますか?

工務店がお施主様の要望やこだわりを聞くのは大事なことですが、そのままを形にすればいいわけでもありません。私はお施主様に寄り添いながら、色々と提案しています。

№53 60年保証制度というお墨付きが大事

建てた後のメンテナンス費用を忘れていませんか?

瑕疵担保10年のままで大丈夫?

金持ち父さんが建てるのは、建てた後の失費が少なく「資産」になす家です。とはいえ、月日が経てば最低限のメンテナンスは必要ですし、この頃の異常気象を考えると、家に何らかのアクシデントが起こる可能性もあります。そこで、今日のブログは家の保証についてお話ししたいと思います。

工務店には、お施主様に対して10年瑕疵担保保証制度を付加する義務があります。この制度は延長しても最大20年で終了します。一方、大手ハウスメーカーでは最長60年保証制度の採用が当たり前になっていることはご存じでしょうか?。保証を受けるには、相当の基準と定期メンテナンスが必要です。何かが起きる前にしっかりとチェックすることが大切であり、無駄な支出を抑えます。

最近は軒を造らない、キューブタイプの家が流行っていますが、私に言わせれば、これほど雨漏りの発生しやすい家はありません。ほとんどの雨漏りは、設計と施工が原因になっています。キューブタイプの家は好きな外観デザインかも知れませんが、もし工務店に「その家には60年保証をお付けできない場合もありますが、それでもいいですか?」と聞かれたらどうしますか?

家を「資産」と位置づけるなら、設計を相談する前から、何を優先するべきかをよく考えるといいと思います。

最長60年の保証を受けるには、その家が「長期優良住宅」の認定を受けることが条件になっている場合がほとんでです。また、マイホームを売却する際、「住宅の再販システム付き住宅ローン」を利用するにも、長期優良住宅であることが必須条件になります。