№29 オール電化住宅を進化させたZEHの家

値上がりする電気料金にどう対処していきますか?

電気は、創って、貯めて、使う

オール電化住宅とは、IH調理器やエコキュート、省エネ冷暖房といった住宅設備を全て電気で賄う住宅のことです。「そんなに電気を使ったら電気代が高くなるのでは?」と、不安に思う人がいるでしょうが、ガスを併用すれば、ガスの基本料金も別途かかるのですから、光熱費全体で考えれば、オール電化の方が有利でしょう。ただ、現状の電力事情では深夜電力も値上がりしています。そのため、オール電化住宅の場合でも、どのように家の電気を賄うかは、しっかり考える必要があるのです。では、どうすれば? その答えとして登場したのが、自分たちが使う電気を自分たちで創って補うZEHという発想でした。

しかし、2012年以降に自宅で太陽光発電を利用する家がずいぶん増えたものの、太陽光で発電できるのは日中だけ。夜はやはり深夜電力を買わなければなりません。そこで重要になるのが自宅で創った電気を「貯める」という発想です。日中に創った電気を蓄電池やEV車に貯めて、自分たちの使う電力を自給自足できるようにする。このような概念で造られる家がスマートハウスであり、私がおススメしている「Smart2030令和の家」なのです。

ZEHやスマートハウスを実現するには、家を高気密・高断熱にすること、パッシブデザインや外付けブラインドなどを活用し、高効率な設備によって自宅で消費する一次エネルギー(照明や換気、エアコンなど)を省エネ化するといった工夫も必要です。

〇ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)

高気密・高断熱の家に省エネ性能の高い設備を採用することで、消費電力を極力抑える。その上で、必要な電気を自宅の太陽光発電で賄う。自宅で消費する電力をプラスマイナスゼロにするというのが、ZEHの考え方です。そして、自宅で創った電気をより有効に活用するためには「貯める」という機能が重要になります。