№61 VPP社会に貢献する家づくりをする

電力会社だけに頼らない、共存共栄のしくみづくり

電気代高騰を止める方法

今の日本は、太陽光で発電できる日中は電気が余り、発電出来ない夜は電気が不足する状況にあります。しかし、電気に同時同量のルールがあり、これを保てないと大停電になるため、電力会社は火力発電で夜間の不足分を補わざるをえなくなっています。その影響は私たちにも及び、「再エネ賦課金」「燃料費調達額」の形で気づかぬうちに負担が増えているのです。電力会社が電気を買い取るための「再エネ賦課金」を電気代に上乗せして支払い、また、原料高騰による燃料費の値上がりも「燃料費調整額」として負担をしています。

この事態を解決するには、大手電力会社と共存共栄の道を歩くことが必要です。普段は各家庭で電気を創って消費し、悪天候などで発電が出来ないときに非常用電源として大手電力会社から電気を買って使う。このように役割分担をするのです。太陽光発電を設置した家同士がつながり、冬に積雪で発電できない東のエリアの人には、西の発電できるエリアの人の電気を送り、夏に台風で被災した西のエリアの人には、被災していない東の電気を送ります。他の地域と送電網を介して電気を供給しあえる社会をバーチャルパワープラント(VPP)と言います。これこそ私たちの目指す社会の姿だと言えるでしょう。

FIT制度の高額補助金を賄うために、私たちは電気1kwhごとに3.36円も余分に電気料金を支払っています。電力会社は所有する火力、水力発電所を停止してまで太陽光発電の電力を買い取っているのに。この矛盾を早く解消するべきだと思います。

●電力会社と共存共栄するVPP社会

バーチャルパーワープラント(VPP)バーチャルパワープラント(VPP)は」私たちが利用する電気を社会全体で支えていくしくみです。それぞれの家に設置される太陽光発電は小規模なものですが、それらを「分散型エネルギーリソース」として捉え、まとめて制御していくことで、全体の電力の需給バランスを保つのです。

今後、角家庭が自宅で電気を創り、自治体主導で電気の需給コントロールができるようになれば、災害に対するレジリエンス性能を高めた街づくりも可能になります。国は電柱をやめて送電線を地下に埋め込む「無電柱化」を推進しています。これも津波や台風で送電ができるようにするための国土強靭計画なのです。