№72 2回遊動線で効率的なセンターキッチン

忙しい現代人の暮らしに合わせた間取りを考える

キッチンを奥様のオアシスにするには

共働きのご夫婦ほど日常のオンオフの切り換えが大切だと思います。そこで、キッチンを奥様のオアシスにする方法を考えてみました。まずポジショニング、すなわち「位置」が重要です。忙しい奥様の家事を効率化し、ストレスをできるだけ軽減するためには、移動距離を最小にすることが一つのポイントになります。

「smart2030令和の家」では、「センターキッチン」を採用しています。ダイニングにも水周りにも自由に移動できる「2回遊動線」を確保した間取りです。ダイニングと家そとテラスをキッチンのすぐ近くに置き、リビングを最も遠い場所に配置すると家は広く感じられます。あとは奥様がよく利用する場所(家事机や多目的収納、浴室、洗面化粧台、靴を洗うスロップシンクなど)をキッチンからまっすぐ数歩で移動できるよう「ストレート動線」を意識して配置します。

家を建てるときに「対面キッチンがいい♪」と要望する奥様は多いですが、たいがいは片側が窓際についたポジショニングになっています。それよりもセンターキッチンのほうが奥様は効率よく動けると思います。土地の形状による制約もあるでしょうが、対面キッチンの場合も、キッチンの両側から出入りできるようにするほうが便利です。

キッチンには勝手口があることが当たり前とされていますが、本当に必要なのかは考えましょう。勝手口ドアに使われるガラス窓が冬の冷気の侵入口になるだけでなく、ドアの施錠忘れなどによって空き巣の被害に遭う可能性も高くなります。

備考:キッチン片側が壁に適しているパターンを「1回遊動線」といい、壁から独立して家事に必要なもの(他目的収納・脱衣所・浴室・洗面化粧台など)に自由に行ける動線を「2回遊動線」といいます。