2021年6月号 奨学金の活用

皆さんこんにちは。アーリーです。前回は大学進学にかかる学費と入学準備金について説明しました。

今回は、奨学金の利用について見落としがちなポイントについて説明させていただきます。大学進学費用を準備する手段の一つとして奨学金を有効に活用しましょう。 奨学金を考えるとき、多くの場合、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO、ジャッソ)の奨学金を借りることになります(他にも大学独自の奨学金や地方自治体、企業、財団などが提供しているものもあります)。

奨学金は大学生の2人に1人が利用しており、今の時代奨学金を利用することは珍しいことではありません。

【奨学金の種類】

奨学金は大きく分けて給付型貸与型の2種類があります。

給付型…返さなくてもよい奨学金です。

貸与型…第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(利子付)とがあります。

嬉しいことに2020年4月から給付型の条件が大きく緩和されました。基準は「世帯構成・人数」と「世帯の収入」に応じて受け取れる給付型の金額は変わってきます。例えば4人世帯の場合、世帯の収入が約271万円以下なら申請した給付型の満額、「世帯収入が約303万円以下」なら「満額の3分の2」、「世帯収入が約378万円以下」なら「満額の3分の1」を受け取れます。

【早めの準備を】

 奨学金を借りる準備は高校2年の終わりから高校3年の春にかけて、この時期から準備は始まります。申請しようと思ったときには「すでに申し込み期限が過ぎてた」とならない様に注意しましょう。

この時期大切なことは次の3つです。

  • お子さんが通っている高校での説明会に参加する。だいたい高校3年の4月~5月に行われます。
  • 奨学金の申し込みに必要な書類、特に「マイナンバー」関係書類はあらかじめ準備する。
  • 高校3年の4月~6月の「予約採用の第1回申し込み」で申し込む。

 給付型と貸与型の第一種は4月~6月頃の第1回の予約採用でしか受け付けてもらえません。

この時期には「志望校も決まっていないので、奨学金をいくら借りればいいのかわからない」人がほとんどだと思います。ところが予約採用で申し込んだ奨学金の内容は、大学入学後に「進学届」を提出するときに、ほとんどの項目で変更可能です。

また第1回の予約採用で認められなくても10月頃の第2回の申し込みで貸与型の第二種に切り替えて申請することで確実に奨学金を確保できます。

なお、どうしても給付型や貸与型の第一種を希望される人は大学入学後の在学採用で再度チャレンジしても良いです。

【計画的な返済】

貸与型の第一種を借りられれば、返すときに所得連動返済方法というものが使えます。これは年収が少ない間は返済の負担を減らすことができる方法です。

貸与型の第二種は利息がかかりますが、使わずにすんだ分があれば在学期間中に返済した分には利息がかかりません。また、就活や卒論後に集中的にアルバイトをして在学中に返済額を減らしておくことも方法の一つです。

奨学金を利用すと場合は、返すときのことまできちんと計画を立ててから借りましょう。