№33 固定価格買取制度(FIT)の抱える課題

自宅で発電した電気をどう活用するのか

家で創った電気をどうする?

2012年にこの制度をスタートした電気の「固定価格買取制度(FIT)」というのは、発電した電気電力会社が一定価格で買い取ることを国が保証する制度です。スタート当初の買取価格は1kwh当たり42円(発電設備10Kwh未満の場合)で、これを10年間保証するというものでした。この価格はかなりの大盤振る舞いで、本来の再生可能エネルギーの普及という目的だけでなく、投資目的で悪用されケるースも多かったようです。結果、売電収入をあてにした投資家が殺到し、2014年には九州電力で消費電力よりも太陽光発電の発電量が大幅に上回り、申請受理を中止するという、九電ショックが起こりました。

その後、買取価格は徐々に値下がりし、2022年度は1Kwh当たり17円、2023年度は1kwh当たり16円。買収期間はともに10年間です。今では当初の買取価格の半分以下に下がったわけです。

2012年にこの制度を利用した人は保証期間10年が2022年に終了します。その後も継続できますが、買取価格は大幅に下がります(2022年1月現在、東京電力の買取価格は1Kwhあたり8.5円。)それでも売電を続けますか? 売電をやめ、夜に家で使う蓄電池などに貯めて有効活用するほうが賢い選択です。