№32 太陽光発電を有効活用する設置方法

創エネの視点から屋根のデザインを考える

太陽光発電に理想の屋根とは?

コロナ禍で朝から晩まで自宅で過ごしていた私は、日の出から日没までの太陽の行路を毎日観察していました。屋根の勾配を計るテンプレートで毎日理想の日射角(太陽光の差し込む角度)調べ、研究をつづけた結果、太陽光発電に最適な屋根の勾配が1年を通してわかってきました。

太陽は、夏至の時にもっとも高い位置になり、冬至の時に最も低い位置になります。そして、1日の中では、日の出と日没の時が一番低くなります。こうした状況を勘案したうえで導きだした答えが、「太陽光発電に理想の屋根は、南西向けの緩勾配にする」ということでした。

太陽光パネルを設置する際に、太陽から直進する「直達日射」の日射角度だけを考慮して「南30度の屋根の傾斜が最も発電する」という定説があるようです。しかし、実際は地球の大気圏外に到達した日射が大気中の分子や浮遊粒子によって散乱して地表に到達する「天空日射」があることを考慮すべきです。よって屋根は急勾配にするよりも、勾配を緩やかにしたほうが全方向からの天空日射を多く受け取ることができます。また、夜の帰宅する時間から消費する電気量は増えますので、日没の太陽が沈む方向である南西に屋根をむけ、発電時間を長くする工夫も大切です。

太陽光発電パネルを設置する際に注意しなければいけないのは、鋼鈑屋根を緩勾配にして雨漏り、暴風、雪害などから家を守り、パネルの寿命を長くすることです。また、台風などの暴風に備え、1枚のパネルを6点固定する備えも必要です。

〇直達日射と天空日射

太陽の日射には「直達日射」と「天空日射」があります。「直達日射」が多いなら、太陽に向いている屋根をできるだけ広く、また急傾斜にした方が多くの日射を受けることができます。日本は「天空日射」が多いため、できるだけ屋根はフラットにするのがおススメです。また、日没の太陽の位置を考慮して南西向けの緩勾配に太陽光パネルを設置した方が発電時間は長くなります。