№27 「従量電灯」の不思議な料金プラン

知らないと損をする、電気料金のしくみ

まとめ買いのほうが高い⁉

日本のガス併用住宅などで採用されている電気料金プランは、文字通り使用する電気の【量】に【従】って課金されるものです。電気料金は「基本料金」に「電力量料金」と「再エネ賦課金」などを加えて算出しますが、ここでは基本料金と電力量料金(燃料費調整額以外)についてみていきます。東京電力の「従量電灯B」プランの場合、「基本料金」は契約するアンペア数(一瞬で使える電気量の上限。例えば60Aの場合は6kwまで使える)によって料金が異なり、アンペア数が増えるほど料金は上がります。次に電力料金は1kwh当たり単価が3段階に分かれているのがわかります。

例えば、280kwhを使用した場合は、「120kwhを超えて300kwhまで」に該当するので、単価は26.48円、320kwhを使った場合は単価が30.57円になります。つまり、使えば使うほど単価が上がるのです。一般的な感覚ですと、量がまとまると単価は下がるように思いますが、電気料金はその感覚に当てはまりません。とはいえ、単価をあげないために必要な電気まで節約するのは本末転倒です。自分の使う電気を自宅で創って賄えれば、このようなジレンマを感じることもなくなります。

東京電力の「従量電灯B」は、電気・ガスを使用し、太陽光発電を設置していない家庭向けのプラン。通常は100V配線ですが、これからの住宅はIHキッチンやエアコン、EV車などを利用することを考えると、200Vの配線が必須になるでしょう。

電気は「買う」のではなく「創る」。電気代高騰の不安もなくなります。

№26 再エネ賦課金と燃料費調達額ってない?

電気料金のしくみを知っておこう

電気料金はさらに値上がりする。

みなさんは電気料金がどのように計算されているかご存じですか?。「基本料金」に、「電力量料金」と「燃料費調整額」、「再エネ賦課金」が加算され、電気料金として請求されています。

この中で聞きなれない項目は「燃料費調整額」と「再エネ賦課金」でしょう。日本の火力発電は、全部の燃料を海外から調達しているため、為替などの影響で調達価格が電力会社の計算した基準額を上回った時に、「燃料費調整額」がプラスで請求されます。火力発電の燃料費調整額の上限が電力会社を赤字経営している現在、上限設定を撤廃すれば、今後さらに電気料金が値上がりすることは確実です。

次に「再エネ賦課金」とはどんなものでしょうか?。東日本大震災の後、再生可能エネルギーの拡大が急務となった政府は、2012年に太陽光発電など再生可能エネルギーでつくられた電気の「固定価格買取制度(FIT)」をスタートしました。再エネ賦課金は電力会社がその電気を買い取るためのお金で、利用者から毎月の電気料金を上乗せして調整しています。その金額も年々あがり、2021年に3.36円/kwhだったものが2022年には3.45/kwhになりました。さらに今後も上昇していくことでしょう。

燃料費調達額の計算は、3カ月間の資源の取引実績をもとに行います。そのため、価格変動が電気料金に反映されるまでには、3~5カ月のタイムラグがあります。その市場に何か大きな変化があった時、その影響は少し後になって現れるのです。

№25 電気を侍従自足する家を建てよう

 電気料金は以前の常識で考えてはいけない

いよいよ始まるDR社会

2022年夏に、電力需給逼迫による大節電要請が経産省から発表されました。

2011年に発生した東日本大震災以降、原発が停止した代替え電源として火力発電の割合がふえていることが原因です。

ベースロード電源(電気を低コストで安心供給できる電源)でありながら、老朽化などで休廃止する火力発電所がふえています。

また、火力発電の資源である石炭、石油、ガスをすべて他国に依存しているために輸入する際の燃料調整基準額がロシアのウクライナ侵攻で急騰したことも、されに電力需給逼迫に拍車をかています。

この夏、電力会社は「節電をしてくれた家庭、企業にインセンティブ(謝礼)をお支払いします」というキャンペーンを展開しています。これは経済産業省が推進する「ディマンドリスパンス(DR)」制度(№62参照)を独自で前倒しし、実施しているものです。

日本はもともとエネルギー資源の自給率が低い国ですから、こうした状況が今後もおこるということは想像に難くありません。では、どうすれば?節電には家の性能も重要です。消費電力の低い高断熱住宅と蓄電池やEV車に蓄えた電気で暮らせる「Smart2030令和の家」がぴったりなのです。

節電に対するディマンドリスポンスは、電気事業者が依頼した節電に協力した場合に、節電量1Kwhごとにポイントが付与されるというものです。アマゾンや旅行会社、航空会社などのポイントに交換し利用することができます。

大きく変わった日本のエネルギー事業

〇さらに高騰が予想される電気料金

現在の日本は、発電の4分の3を火力発電が占めています。(2020年度76.3%)。その燃料を海外に頼っている日本では燃料費の上昇が電気料金にも影響を与えています。すでに電気料金は値上がりを続けていますが、今後さらに高騰していくのは間違いありません。

電気料金の高騰に対抗するには、電気を自給自足するしかありません!

 

 

№24 紫外線&オゾンで安全な空気をつくる

日本初!ウイルスを除去する空調機器

家の空気環境を守る紫外線

新型コロナウイルスは、変異株「BA・5」の感染が急激に拡大する第7波に突入しています。この状況をうけ、政府は7月前半から新たに実施を予定していた「全国旅行支援」について感染状況をもう少し見守ると述べ、実施の判断に慎重な構えをみせました。

Smarat2030令和の家」で採用している気圧調整式第1種残熱交換システム「エクリア」もコロナウイルスに対抗すべく給気清浄フィルターの改良を検討していましたがフィルターの目を細かくすると通過する空気量が減り、正圧の空気環境を阻害しかねないという問題に突き当たっていました。既存のエクリアのSA(室内給気口)にUVC-CCFL(紫外線照射光源)を搭載したユニットを接続することで、家の基礎内にはウイルスが不活化(除菌・消臭)されたきれいな空気が放射されます。こうして生まれた新しい換気システム「エクリア・プラス」なら「ただいま」と家に帰ってきた瞬間、除菌・消臭された「オゾン」の空気を肺いっぱいに吸い込むことができ健康な暮らしができるのです。

〇オゾンとは?

オゾン(O3)は、酸素原子のOが3つ結合した状態のものです。地球の上空にもオゾンの層があり、これが太陽から放射される紫外線などから私たちを守ってくれています。オゾンの殺菌・脱臭・空気清浄力は塩素の約7倍あると言われ、感染率の高いウイルスの殺菌にも強い効果が期待できます。UVC-CCFL(紫外線照射光源)は人体に害のないレベル(濃度0.05PPM以内)のオゾンを全室に給気することで、まるで森林浴をしているような空気環境を作り出します。従来の「エクリア」の換気ユニットでも0.5㎛以下の新型コロナウイルスを抑制する新たな除菌消臭機能で安心な暮らしをお届けします。

№23 エアコンと換気で実現した省エネ床暖房

冬に味わうひんやり床を、コストをかけずに解消?

電気を使わない床暖房?

冬に床が冷たいのは、家を建てるときに基礎と土台の間にパッキンを挟む国宝で家を建てているからです(№20参照)。この方法では冬の冷気が基礎内に侵入し、UA値(外皮熱還流率)が高くなってしまいます。ZEH基準の0.6以下(東北地域は0.5以下)も超えてしまうのでおススメしません。しかも真冬になれば基礎内が寒くなり、住宅内を暖めるために余計なエネルギーを使います。

そこで私は電気を使わない「まるで床暖」を考えました。国内で唯一加湿できるダイキン工業株式会社のエアコン「うるさらX」と換気システム「エクリア」を組み合わせることで、床暖房のような暖かさを実現しています。しくみはとてもシンプルです。ダイキン社独自の「垂直気流」技術で垂直に下した暖気をエアコンの真下にあるRA(排気口)から吸込み、換気ユニットで熱交換された暖気を基礎内に給気することで、基礎内に接する床材を一気に温めます。そこから1階床下、さらに風道を通って2階床下に暖気があがり、床を暖めます。おかげで足元はスリッパを履かなくても床暖房の方に暖かいのです。もちろん、家の中は「正圧」に保たれており、真冬でも湿度50%台、温度24℃という空気環境に保たれています。

パッシブ設計を採用すれば、南面の2層のFIX窓から冬の日差しを建物の奥まで取り込むことができ、吹き抜けを通る空気はさらに暖まります。そのため、エアコンと換気ユニットを稼働しても0.5KWしか電力を消費しません。

№22 室内を「正圧」に保つ理想の換気方法は?

空気の通り道の確保の仕方で環境に違いがでる

家全体を空気で満たす換気方法

ここまで何度も第一種換気システムならいいというわけではないこともお伝えした通りです。大きなポイントは、どのように空気を運んでいるかです。

一般的な第一種換気システムでは、ダクトと呼ばれる直径10cmのアルミ製のホースで空気を運びます。換気ユニットのSA(室内空気口)にこのダクトを接続し、2階の部屋まで空気を送るのです。この方法を「圧送」といいますが、ダクトの数が増えるとパワーが分散し、換気ユニットから遠い場所ほど運べる空気量は少なくなってしまいます。しかも、遠い場所へ送るにはモーターに負荷がかかるため、消費電力が増えて光熱費も高くなります。

一方の「エクリア」は、SAにダクトを接続しません。その代わりに建物自体に「風道」というダクト100本分の空気の通り道を設け、空気を2階に送るのです。SAから放出された空気がまず基礎内を満たし、溢れた空気は逃げ道を探して風道から2階床下の空間へ送られます。通常のダクトで2階に空気を送る方法では、2KW以上の電力を消費するうえに同じ風量にはなりません。「エクリア」ならモーターに負荷をかけず、省エネで大量の空気を送り「正圧」の空気環境を実現します。

 

№21 エアコンの冷気は床に停滞するから足元が冷える

実は季節によって空気の重さがかわるのです。

冷気は下に、暖気は上に留まる

真夏はエアコンがある部屋だけが涼しくエアコンがない部屋は暑い。しかもエアコンが効くと涼しくはなるけれど、膝から下は毛布が必要なほど冷たい。こんな経験はないでしょうか?

家の中の居場所によって体感温度に違いが出るのは、空気が動いてないことが原因です。皆さんも授業で吸気の体積と温度に関する「シャルルの法則」を習ったことがあると思います。これは冷気が分子が重いので下降し、暖気は分子が軽いので上昇するという法則です。室内の空気が止まっていると、冷気は床にどんどん留まります。このような状態では冷え性の原因となり、健康的とは言えないでしょう。1年を通して家の中を快適な空気環境に保つには、まず空気を停滞させないことです。給気が不十分で家の中の空気量が少なくなる第三種換気システム(負圧)は空気が動かなくなり停滞します。反対に、給気量を多く、排気量を少なくして家の中をたっぷりの空気でみたしている状態(正圧)は、空気が常に動き、家じゅうに流れていきます。「Smart2030令和の家」は「正圧」の状態では冬は1階、夏は2階のエアコン1台だけを稼働させます。空気が動いているので、エアコンの暖気・冷気を停滞させずに有効活用できるのです。

吹き抜けは実に多彩な役割を担っています。空気をうまく循環させる場所になります。このほかにも2層のFIX窓で視界をカットし、家族のプライバシーを守ること。窓から部屋の奥まで光を届け、光熱費の削減にも貢献します。

№20 換気ユニットは置き場所も重要

フィルター掃除でホコリをかぶるのはもう嫌だ!

基礎部分から家を換気する

大手ハウスメーカーの全館空調システムは、小屋裏に設置された動力の電気料金が高額なだけでなく、掃除の手間も大変。月に1回のフィルター掃除は2階天井に設けられた1,2階用の点検口を開け、筒状のフィルターを取り出し、中に溜まった虫の死骸を掃除機で吸込み、繊維状のフィルターを洗面台で浸けおき殺菌をした後、元に戻すとういう作業が必要です。それだけに換気ユニットをどこに設置するのかも、とても重要だと思っています。私が推奨する換気システム「エクリア」は換気では基礎コンクリートとその上に柱をたてるための土台がコンクリートに接して腐食しないようにゴム製のパッキンを挟み、そこから基礎内に空気を取り込むようになっていますが、冬は冷気が侵入する原因になります。「エクリア」は冷気が侵入しないように基礎内を密封する断熱工法を採用しています。そこには換気ユニットを設置し、大量の空気を基礎内に直接給気することで住宅内がいつでも健やかで快適に保たれるのです。

基礎断熱工法は気流を嫌うハネアリ駆除にも最適です。さらに紫外線照射光源ユニットを用いて基礎内に人体に害のないオゾン層を発生させると虫だけでなくウイルスや微粒子の除菌・消臭もできます。(詳細は№24で)

 

№19 換気設備の能力を最大限引き出す準備

換気ユニットの意外な点滴は、、虫!

まずは害虫退治から!

無公害できれいな空気環境で暮らすには、家に空気を取り入れる室外吸い込み口から万全を期すことが重要です。まず、第1ゲートは害虫などを入れないことです。害虫などをしっかり取り除いておかないと、花粉やPM2.5、ウイルスなどを除去するフィルターが目詰まりして本来の役割を果たせなくなります。

ではどのような仕組みで害虫を除去するかいうと、換気ユニットの室外吸い込み口にサイクロンフードを設置するのです。換気システム本体の吸引力でサイクロンフードに無電力で旋回流が発生し、侵入した害虫を粉砕し、ベンチュリー効果(風の流れを絞って風速を上げると、空気の圧力の低い部分が発生する現象のこと)により外部に排出します。そして、サイクロンフードで害虫を取り除いた外気は給気清浄フィルターに送られます。

ここが、住宅内に花粉やPM2.5などの微粒子を侵入させない第2ゲートです。このフィルターで0.5マイクロメートルまで除去できたというデータがあります。ただし、新型コロナウイルスは0.02マイクロメートル以下の微粒子であるため、紫外線照射光源(UVC-CCFL)ユニットを基礎内の給気口(SA)に接続することをオススメします。(詳細は№24で)

換気ユニットの役割は、あくまで家の中の換気をすることです。汚れの取り切れていない空気をユニット本体に送っていると内部で熱交換をする伝熱板の汚れや目詰まりが発生して性能がおち、多額の交換費用が発生する事にもなりかねません。

 

№18 モーター2台で空気環境をコントロール

放っておくと家の中の空気の量は減ってしまう?

家を「正圧」に保つ換気システム

通常の外気圧より、住宅内の気圧が高い状態を「正圧」と言います。これは、家の中の空気がパンパンに満たされていて、内側から壁を押しているようなイメージです。家は、住宅内への給気量を多くして排気量を少なくすれば「正圧」になります。反対に、住宅内への給気量が少なく、排気量が多ければ「負圧」になります。

一般的な第一種換気システムでは、モーター1台で給気と排気のファンを稼働させますが、それでは住宅内を「正圧」に保てません。室内を正圧に保つには給気専用と排気専用の2台のモーターが必要です。

私が推奨するのはパナソニック株式会社の「気調システム」という換気ユニットです。自社の「IAQ制御」という優れた技術を用い外気の温湿度と住宅内の温湿度を測定して、換気ユニット自体が自動で給気量と排気量を調整してくれるのです。そして株式会社ノースビルドジャパンがこの換気ユニットのSA(室内給気口)からダクトレス工法で直接基礎内に大量の空気を給気し、全室を正圧に保つことができる換気工法「エクリア」を開発しました。一般住宅では設置価格の安い第三種換気システムを採用することが多いのですが、第一種換気システムを選ぶ際にも、その性能をしっかり確認することが必要です。

第一種換気システムの換気ユニットを選ぶポイントは「正圧」という環境をつくりだせる風量と風速があることです。また、メンテナンスの手間がどのくらいかかるのか、メーカーが無料メンテナンスをしているかも確認して選ぶようにしましょう。

住宅内を「正圧」に保つ換気システム

●気圧調整式第一種換気システム「エクリア」

エクリアは、パナソニックが自社の「IAQ(インドアエアクオリティ)」技術を用いて開発した換気シスエム「気調システム」の換気ユニットを利用し、独自のダクトレス工法、ダイキン工業株式会社のエアコン「うるさらX」のうるおい加湿などを組み合わせることで住宅内を「正圧」の同じ温湿度を保つ気圧調整式第一種換気システムです。室内を「正圧」に保つには、給気と排気の両方をしっかりコントロールすることが大切です。