社会の変化に振り回されない暮らしをつくる
ランニングコストをどう抑えるか
最近「こんなに電気料金が値上がりするなら、太陽光パネルを設置できない家は建てなかった」という苦情が後を絶ちません。現在、火力発電の材料となる原油や天然ガスの価値が上昇し、また、ロシアのウクライナ侵攻により先行きはさらに不透明な状況です。生活必需品は軒並み値上がりし、家計を圧迫しています。当然、家の建築費も高騰し、住宅ローンの支払いも重くのしかかります。とはいえ、ローン返済は避けられないので、それ以外の出費を減らさなければなりません。ただし、それは生活の質を落とすということではなく、最初からランニングコストのかからない家を建てるべきだったのです。
電力の固定価格買取制度(FIT)は、「10年間は国が責任を持ってこの価格で余った電力を買い取ります」というものでしたが、現在は発電量が需要より多い時は買い取りません。設置費0円というPPAモデルのような契約をしていると、EV車の充電のために電力を買うことになり、ランニングコストを抑えるのは難しいでしょう。これから家を建てる皆さんには、この国の2030年を見据えた家づくりをしていただきたいと思います。そのためには、皆さんの家づくりに関する習熟度を高めることが何より大切です。
これから電気代はますます高くなります。PPAは太陽光発電の初期費用や維持費はかかりませんが、契約で蓄電池、V2Hが設置できない場合があります。つまり、EV車を導入しても自宅の太陽光発電を利用できないのです。