まじめで誠実でいることの大切さ、私の原点

私の父はバスの運転手をしていました。

田舎のバスの運転手なので、バスに乗ってくる年配の人はほとんどが父の知り合いで、幼少の頃、町の中をグルグル廻るバスに時々乗せてもらっては息子の私に顔見知りの地域の人たちから、話しかけてもらったり、おやつをもらったりしていました。

休憩時間にはバスのルートにある駄菓子屋さんに寄って、お店の人や通りすがりのご近所さんと楽しそうに笑顔で話している父が印象に残っています。

本当にまじめで誠実で人懐っこい父は誰とでもすぐに仲良くなります。
乗ってくるお客さんが「たかっちゃん!この子は下の子か?前に見た時よりだいぶおっきなったな~! よそで見たらわからへんなるわ~」というと、 父は「ほんまやな~。あっという間やわ~。顔覚えといたってな~」とニコニコ答えます。

運転席のすぐ後ろにいる私には「これ、家になってるミカンやねん。良かったら食べてや。」とみかんをもらい私は「ありがとう」と答えます。お客さんも、バスを下りるときには「たかっちゃん、ありがとう!」と言って下りていきます。 すこし恥ずかしさもありましたが たわいもない会話が心地よく思いました。

私の実家を建ててくれた大工の棟梁と私の父が友達で、家族ぐるみのお付き合いがあり、棟梁の工場で遊んでいるうちに、自然と木が好きになり、大工さんは仕事をすると「ありがとう」と言ってもらえる職業だということを知り、私は大工職人にあこがれるようになります。

家族を守る家が作れる大工さん。
仕事をしてありがとうと言ってもらえる大工さん。
カッコイイ!
私も大人になり子供が出来たことをきっかけに、小さい頃からあこがれていた大工職人になりました。

それから、ずっと建築業に携わってきました。 父が私に教えてくれた、まじめで誠実でいることの大切さ、人との関わりの大切さ、ありがとうと伝えることの大切さを胸に、家づくりを通して、かかわってくださった地域の人たちの笑顔のある暮らしを作っていきたいです。

Office.Nの家づくりの考え方、こだわりはたくさんあります。第一になるのは「お施主様が幸せになる家」であること。そのためのこだわりをこちらからご覧ください。>>

2020年3月N通信アーカイブ

大工さん

皆様 こんにちは!  中垣です。

今月はいつも以上に案件が重なりてんてこ舞いで
なかなかお伺いできていない方には申し訳なく思っております・・(>_<) 最近の気象の方は、暖かくなってきたかと思うと先日は 急にアラレが降ってきたりとお天気も大忙しですね~。 建築業界全体をみても、極度の人材不足で 困っているという声をよく耳にします。 私の会社も“未来の職人”さんを ず~っと募集していましたが なかなか来てもらえずたいへん苦労をしていましたが・・・・ なんと! ついにっ!! 新入社員 さんが来てくれました~~!!! パチパチパチパチ~(^▽^) しかもまだ、20代前半のぴちぴちです! 仕事に臨む姿勢もすごくちゃんとしてます。 すごくありがたいです(^^)/ しかも理由が 「職人さんに憧れて、大工になりたいです!!」 心にしみますね~(^^) まだまだ募集はしておりますが、まだまだ“厳しい世界”というイメージが残っている中、一人でも来てくれたことは“感謝”しかございません!! ******************************** 今月の奈良でのセミナー ******************************** 4月26日 住宅の判断基準、予算をかける優先順位を学ぶ」
[場所] 奈良県文化会館/ 奈良県奈良市登大路町6―2

奮ってご参加お待ちしております(^^)/
それではまたお会いできる日を楽しみにしております(^^♪

【住宅診断】30年以上メンテナンスをしていない中古住宅を購入された事例

劣化したカラーベスト

先日、住宅診断で お家を見に行かせていただきました。

中古物件を購入されて どうすれば長持ちするのかが知りたいという案件です。
見たところ約30年以上はメンテナンスをされていないような状態です。

下の写真の状態は、
①壁の塗装が剥がれ、
②防水効果がなくなったまま年月がすぎると
③強アルカリ性のモルタル壁の中性化が始まり、
④モルタルの強度が下がってひび割れが発生して
⑤内部の下地とモルタル壁をくっつけている “ラス”という網目状の金属が錆びて壁が崩れ出した

と推測されます。
外壁の劣化

これは弱った壁をある程度はがしてから防水処理をして復旧すればキレイに戻せます。

次の写真はカラーベストという屋根材で、表面の黒くなっている部分は防水効果がなくなっています。
劣化したカラーベスト

雨水が乾かなくなり慢性的に湿っている状態が続いて水垢と汚れが溜まっている状態です。
近くで見ると全体的に苔もかなり生えています。
現状としてはカラーベスト自体にもある程度雨水が染み込み素材の厚みで雨漏りを防いでいるような状態です。

このままだとカラーベスト自体の風化が続いて屋根材自体も交換しなくてはなりません。
そうなる前にメンテナンス工事をしておくと、家自体も長持ちして毎回のメンテナンス費用も抑えることができます。

やはり、メンテナンスは大事だなと思わせてくれたよい機会でした。
どのようにメンテナンス計画をしていくか引き続きお手伝いさせていただいております。

家ってなかなかわかりにくいことも多いと思うので少しでも疑問に思うことがあれば早めに建築に詳しい方にご相談されることをお勧めします
もちろん私に聞いてもらっても大丈夫です!(^^♪

2020年2月N通信アーカイブ

建築業者では教えてくれない 住宅計画セミナー

皆様 こんにちは!  中垣です。

今年は暖冬ですごく暖かい冬ですね。

2年前までは毎年 車もスタッドレスタイヤに履き替えていましたが
今年は必要なさそうです(^^)

私は仕事の合間を縫って一般社団法人 関西大工会という会の理事をさせて頂いてます。

そこでは未来の大工職人さんへの技術の継承やいろいろな情報を提供し
若い世代の人にも職人に興味を持ってもらえるように活動しています。

今回は竹中大工道具館というところに視察に行ってきました。

上の写真は展示してある一部の写真ですが、伝統的な工法や 大工さんの歴史など
様々なものが展示してあり 興味深いものばかりなので一緒に行った仲間たちも

「一日中 見てられるなぁ~。」

と言って後ろ髪を引かれる想いで会館をあとにしました(^^)
大工会の若い世代のメンバーも早く連れていってあげたいと思いました!

【イベント情報】

2月1日大田理事長による超ロングラン大盛況の
「建築業者では教えてくれない住宅計画セミナー」

無事開催出来ました!!(^^)/

今回も後半になればなるほどみなさん集中して聞いておられましたよ~
時には笑いもあり、後半理事長がマイクでしゃべるのを忘れていましたが
全然必要ない姿を見て会員さんは大爆笑でした~(^^)/

4時間半という長丁場のセミナーにもかかわらずたくさんのご参加ありがとうございました!!
建築業者では教えてくれない 住宅計画セミナー

この他にも2月28日~毎週金曜日全8講座ある
「不動産の学校」
[場所]稲野庵/兵庫県伊丹市稲野町7丁目6-3

2月28日~毎週金曜日全8講座ある
「お金の学校」
[場所]山田ふれあいセンター/大阪府吹田市山田東1丁目28-9

3月16日
「50代を生きる女性の自分づくり」
[場所]はなきりんミーティングルーム/大阪市北区天満1-8-9

3月8日
「住宅の判断基準、予算をかける優先順位を学ぶ」
[場所]奈良県文化会館/奈良県奈良市登大路町6―2

などなど盛り沢山でお届けしていきます!奮ってご参加お待ちしております(^^)/
それではまたお会いできる日を楽しみにしております(^^♪

【雨漏りの事例】陸屋根でありがちな排水設備周りからの雨漏り

雨漏りで傷んだ天井

先日、お客様より 天井の雨染み跡がひどくなってきたと連絡があり
見に行くことになりました。

見に行くとこの写真のように雨染みが一部だけ集中的に発生していました。
雨漏りで傷んだ天井

建物の構造は“鉄筋コンクリート”という構造体で、屋根に上がると“陸屋根”という屋根でした。

下の写真は陸屋根に必ず設置する 屋根に溜まった雨水を流すための排水ドレンというものでその付近にはごみや泥がたまっており、よく調べると穴の内側に、ひび割れが発生しています。

ごみや泥がたまった排水ドレン
ごみや泥がたまった排水ドレン

雨染み跡の真上にあったのでおそらくここからの雨漏りだと推察されます。
後日改めて補修工事を行うこととなりました。
お話を伺うと、建築してから1回もメンテナンス工事をしたことがないとの事(>_<)

陸屋根はほとんどの場合部屋の真上に排水設備があり、普通の三角の屋根より雨漏りのリスクが高いので よりマメにメンテナンスが必要です。
部屋の中もくまなく点検していくと、断熱材がない造りになっており、結露のせいで 壁に貼られているベニヤも傷んでいました。

こちらは断熱工事を含めた改善計画をしていくことになりました(^^)

家ってなかなかわかりにくいことも多いと思うので
少しでも疑問に思うことがあれば早めに建築に詳しい方にご相談されることをお勧めします
もちろん私に聞いてもらっても大丈夫です!(^^♪

危険!ベランダの付け根に亀裂が…!落ちる?!

先日、「お客さんの自宅を見に行ってあげてほしい。」と行きつけの車屋さんから連絡があり
その方(Y様)の自宅に訪問させて頂きました。

内容を聞いてみると

Y様「実は・・・ ベランダが落ちかけているんです!!」

中垣「えぇぇーー! (; ・`д・´)」

案内されて見に行くと、ベランダの付け根の部分の外壁のセメントが幅2センチ、
縦に1メートルほど両サイドに亀裂が入っており、指が入ったので触ってみると
中の木材が風化してスカスカの状態でした(+o+)

崩れ落ちそうなベランダの上で調べている間は なかなかのスリルです。
Y様は、一体何年このスリルを味わっていたの!?
それとも根拠のない「落ちないだろう」と言う感覚だったのか?

よく見ると、ベランダの床にあたる部分も現在は当たり前に施工している防水工法ではなく
セメントがむき出しの仕上がりとなっており、改善点は色々とありそうなお宅でした。

話を聞いていると、周りのお宅も同じ工務店さんが建築されているということで
2軒はすでにベランダが落下して、下に置いてあった物干し台がつぶれたり
ゲートが凹んだりと恐ろしいエピソードを聞きながら、皆さんは家は“大丈夫”そんな根拠のない過信をされている人が多いのでは??? と不安に思えて来ました。

その後もついでにあちこち調べていくと和室の寝室の壁にカビが生えていたり
2階の天井に雨漏りのあとや、外壁のセメントの1メートル四方が膨らんでいたり・・・

Y様は私に、建築した工務店や、その後雨漏りの修理をしたリフォーム業者への苦情を
面白おかしく?!話しては頂きましたが、本当に困っておられる様でした。

対策としては、危険なベランダは撤去して壁をつたう雨の流れを止めない構造として
雨水の侵入し易い状況をなくしてから、腐食がしにくく交換が容易な後付けのアルミ製の軽いベランダに変更して、今後も物干しとして利用できるように提案。
屋根と外回りの不具合のある個所はすべてやりなおすことになりました。

家の強さや見た目も大事だとは思いますが、長持ちさせることの大切さを考えさせられる出来事でした。

火災保険が的要できることもあるようなので引き続き良い提案ができればと思います。

漆塗り体験

先日、沢田欣也先生の漆塗り体験に参加させて頂きました。

MOKスクール(三澤先生)主催の教室でわたしは初体験でした。
伝統的な手法に触れることができ、管理の難しさや先生の思い、
受け継ぐことの素晴らしさなど、刺激としては十分な内容でした。

参加された方も設計士さんや大工さんなど
建築業に真面目に取り組まれている方々ばかりの興味深いお話ばかりで
今後の取り組みに良い影響を頂いた気がしました。

耐震博覧会

先日京都のパルスプラザで耐震博覧会が開催されました。
耐震だけでなく、日本の伝統や国産材に焦点をあてたブースなど様々で
出展させて頂いたこちらも熱気をひしひしと感じる、大変良い経験となりました。

せっかくなので、楽しいブースにしようといろいろ考えたんですがあまり良い案が出てこなかったので
スタッフに助けを求めました(+o+)

最近興味がある体験教室を聞いてみると「左官体験とかクラフトアートがしてみたい!」

即、両方採用です(笑)


この一言でいろいろ試行錯誤をして、体験だけでなく思い出に残る物が
かたちあるものとして持って帰ってもらえるものを考えました。

おかげさまで昼食をとる暇もないほどの大盛況でした。

少しでも楽しんで頂いた方々、アイデアを出して頂いたスタッフに感謝です(^^)

温故知新・左官工事の奥ゆかしい考え方や美学、伝統

前に学んだことや昔の事柄をもう一度調べたり考えたりして、新たな道理や知識を見い出し自分のものとすること。古いものをたずね求めて新しい事柄を知る意から。▽「温」はたずね求める意。一説に、冷たいものをあたため直し味わう意とも。「故ふるきを温たずねて新あたらしきを知しる」または「故ふるきを温あたためて新あたらしきを知しる」と訓読する。

この考え方はとても素晴らしいということで、京都で有名な左官の先生のセミナーに参加させて頂きました。

聞けば聞くほど深く、左官工事の奥ゆかしい考え方や美学、伝統に触れることができ、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。

元々アレルギー体質の僕が大工として、ローコスト住宅の建築業者の下請け(新建材への不信感)をしていた経験を元に
今の僕の建築へのこだわりにシフトしていったこともあり
理解するには十分すぎる内容でした。

日本の建築って素晴らしいです。

家を解体してみると、前回の解体時の廃棄物が放置されていた!

これは本当によくある怖い話です。

先日お家の建て替えの依頼があり、お家の解体後の立会いに行きました。

この現場は大阪ですが、ちょくちょく遭遇する話なので投稿してみました。

解体前からも、ちゃんとした図面が無いので隣のお家とくっついている部分が解体してみないとわからなかったり
近隣6軒の下水管がここのお家の敷地内に埋設されていたりと
いろいろな問題がある物件でしたが

解体後の立会いでは、前回の解体の時に出たと推測されるごみや瓦の埋設物
など、多数の廃棄物がちゃんと処理されずに敷地内に放置されている状態でした。

これは実は、経験上よくある話の一つです。

ご存知無い方がほとんどだと思いますが、不動産取引の契約上、
現状渡しと言う条件がついていれば、良心的な不動産会社やオーナーさんでない限りこれの処分費は土地を購入された消費者さんの負担となります。

事前に知識があれば回避できたかもしれませんが、
ほとんどの場合は後での追加請求となります。

ほんとうに怖い話なので、土地の購入時には近くの建築専門家に意見を伺うことをおすすめ致します。