№14 健康な暮らしをどう守る?

家族が幸せに暮らすには、まず健康が大事!

外気の影響を受けない家づくり

家族が健康に暮らせる家づくりを考えるとき、一番大事なキーワードとなるのが「空気循環」です。当たり前のことですが、空気は目には見えません。しかし空気の量や温湿度の違いによって室内の居心地の良さが変わりますし、何より家族の健康にも大きな影響を与えます。

例えば、冬場に室内で起こる「ヒートショック」という言葉を聞いたことがあると思います。暖房で温まった部屋から寒い脱衣室へと移動することで血圧が上昇し、次に浴室で集めの湯舟に浸かることで血圧は急激に上昇します。こうした血圧の変動が心筋梗塞や脳梗塞などを発症する引き金になることがあるのです。

一方、夏の場合、最近は室内で熱中症に陥る人が増えています。温暖化の影響で真夏日や猛暑日が増えている中で、今年は電力需給逼迫警報で節電を余儀なくされ、命の危険に脅かされています。

家族が健康にくらしていくには、夏の暑さ、冬の寒さを住宅内に侵入させず、1年を通して同じ温湿度で過ごせる家づくりが重要です。そのためには、機密性能、断熱性能の高い家を造るだけでなく、住宅内の空気圧を外の気圧よりも高く保ち、家じゅうをたっぷりの空気で満たした正圧の空気環境をつくることが必須なのです。

もし家族の誰かが病気になれば、他の家族も心配ですし、治療費も必要になります。精神的にも経済的にも大きな負担となるのです。金もち父さんは家族が「健康」にくらせることを大切にします。それがもっとも賢い選択であると知っているからです。

 

№13 壁はソコソコ窓ガンガン⁉

夏の暑さや冬の寒さはどのように室内に伝わるのか?

窓を透明な断熱壁と考える

真冬に暖房の熱が逃げるのはドアや窓、換気口などの開口部です。逆に真夏の外気の熱が流入するのも、この開口部からになります。実は、住宅を正面から見た場合、ほとんどの家が断熱材を施している壁部分の占める面積よりも、開口部分の占める面積のほうが大きくなります。特に窓の面積がもっとも大きいことは重要なポイントです。窓には日射取得という大切な役割がありますが、大きな開口部と考えれば、真夏の熱い空気は窓から入り、真冬の暖気は窓から逃げてしまいます。この課題を解決するには、窓を単なる開口部ではなく、透明な高断熱壁にするという考え方が必要です。

高断熱の窓として私がおススメしているのは株式会社エクセルシャノンのトリプル樹脂サッシです。窓枠2.5mmと厚みがあり、大地震では筋交いの役割を果たすほど堅牢です。そして、ガラスを3重にしたトリプルガラスは、ガラスとガラスの間に空気よりも熱電率の低いアルゴンガスを封入することで断熱効果をさらに高めています。その効果は、真冬に室内の窓ガラスに触れても冷たく感じないほどです。コロナ禍の今、室内の空気環境を快適に保つためには、窓にも高い断熱性能が求められているのです。

 

№12 気密性を高める断熱材を選ぶ

もはや昔の常識では語れない、断熱材の選び方

隙間のできない発砲ウレタン

気密性、断熱性を高める断熱材には様々な種類があります。その中で私が自宅に取り入れているのが「発泡ウレタン」を柱の間などに隙間なく吹き付けるという方法です。なぜなら、これが一番家づくりに適しているからです。

№11でZEHの基準となるUA値の話をしましたが、実はUA値だけではわからないこともあるのです。硬質ウレタンやロックウール、セルロースファイバーなどの断熱材も設計時のUA値は発泡ウレタンと同様になります。同じ数値なら自家消費電力も同じ様に抑えられ、光熱費も同じになるはずです。しかし、実際は全く違います。以前の私の家では、硬質ウレタンの断熱材を採用しました。最初は断熱効果があったものの3年ほどで効果が激減しました。柱と柱に硬質ウレタンをはめ込む工法では、経年で木が縮むと隙間ができてしまうのです。そのことを考えれば、最初から発泡ウレタンを隙間なく吹き付けておくほうが後から隙間もできず、気密性も断熱性も維持できます。

このように、机上で算出する「設計ZEH」と、実際に暮らしてわかる「実質ZEH」には大きな差があります。大事なのは単なるUA値ではなく、実際の消費電力が毎月何KWhなのかです。

建築業界は慢性的な人手不足の状況にあります。それだけに職人さんの技量に頼らない施工技術の開発が進められています。設計図面では施工技術は見えませんが、自分の選んだ施工業者がどんな技術を選ぶのか、関心を持ってみていきましょう。

「実質ZEH」で断熱材を選ぶ

発泡ウレタンは、ウレタン樹脂に発泡剤を加えて発泡させる断熱材。適材適所の発泡ウレタンで魔法瓶のように家を取り囲むことで、家の気密性、断熱性を高めることができます。

№11 断熱性を高め、快適な環境を実現する

家を建てるときに絶対知っておきたいUA値

外気の影響から室内を守る

家族の健康のため、室内の温度差をなくし、快適な空気環境を保つには、気密性と同時に断熱性の高さも重要です。断熱性とは、熱の伝導をどれだけ防ぐことができるかということです。

家づくりでは、断熱材を利用し、外からの熱を伝えにくくし、また、家の中の熱をできるだけ外に逃がさないようにします。これによって冬の寒さや夏の暑さが室内に侵入しないのです。こうした気密性、断熱性の良し悪しを計るものとして(UA値(外皮熱貫流率)というものがよく用いられます。UA値は、住宅の床や壁、屋根などから外にどのくらいの熱が逃げていくかを数値化したもので、値が高いと熱が逃げやすく、低いと熱が逃げにくいことを表しています。つまり、UA値が低いほど気密性、断熱性に優れているわけです。そして、室内の熱が逃げなければエアコンなどに過剰に使う必要がなくなり、電気の使用量削減にもつながります。

マイホームを建てる際には、自分が家を建てるエリアのUA値はいくつにしなければならないのかを、ぜひ事前に確認してください。最低でもZEH基準となる0.6以下(東北地域は0.5以下)であることが重要です。この基準を満たせない家は、省エネ性能が劣っている劣悪な家です。絶対に建ててはいけません。

ハウスメーカーなど建築士には、新築住宅や増改築を行うお客様(施主)に対して、その家の省エネ基準に適否を説明する義務があります。フラット35もUA値が0.6以下でないと借りられなくなる(2022年10月から)ため、ぜひ確認をしてください。

 

UA値を事前に調べておこう

・UA値とは?

住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して、外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。値が小さいほど熱が逃げにくく省エネルギー性能が高いことを示している。

外皮熱貫流率(UA値)= 熱損質量(W/K)÷ 外皮面積(㎡)

 

 

2023年3月号 社会保険(介護保険)

こんにちは。アーリーです。今月からは介護施設にはどのような種類があるのかを説明していきます。

介護施設には大きく「公的施設」「民間施設」の2種類があります。

公的施設は行政機関が管轄を行う施設で、月額利用料が民間施設よりも安めです。要介護度の重い人や低所得者層など在宅介護が困難な人を優先的に受け入れる傾向があるため入居条件が比較的厳しいのが特徴です。民間よりも費用が安いため、人気があり入居待ちになるケースも多いです。

民間施設個人のニーズに合わせて入居先を選べる点が大きな特徴で、自立の方から要介護の方まで幅広く対応できます。家賃や食費などの入居費用は各施設が個別に設定しているため、費用は事業者ごとに大きく異なり、高級志向の施設もあれば、入居費用を抑えた施設もあります。

介護施設には様々な種類があるため、自分に合った施設をどうやって見つければ良いのか迷います。

各施設の入居条件は介護度や費用、認知症の有無などによってかわってきます。そのため入居先を選ぶには先に介護認定を受ける必要があります。また「要介護認定」を申請しても、すべての方が「要介護」と認定されるわけではなく、調査の結果によっては「要支援」や非該当になることもあります。

《介護度の目安》

要支援1・・・日常生活はほぼ自分でできるが、要介護状態予防のための支援が必要。

要支援2・・・日常生活に支援が必要だが、要介護に至らずに機能が改善する可能性が高い。

要介護1・・・立ち上がりや歩行が不安定。日常の中で、排泄や入浴など部分的な介助が必要。

要介護2・・・自分での立ち上がりや歩行が困難。排泄、入浴などに一部または全介助が必要。

要介護3・・・立ち上がりや歩行などが自力にはできない。排泄、入浴、衣服の着脱など全面的な介助が必要。

要介護4・・・排泄、入浴、衣服の着脱など日常生活の全般において全面的な介助が必要。

要介護5・・・日常生活全般において、全面的な介助が必要であり、意思の伝達も困難。

次回は、各介護施設で受けられるサービス内容や費用について説明していきます。

2023年2月号 社会保険(介護保険)

今月から昨年掲載していました社会保険シリーズに戻ります。今回は介護保険制度について説明します。

日本では急激な高齢化により介護の必要性が高まっています。高齢者が高齢者を介護する「老老介護」が出現し、従前の老人福祉・老人医療制度では対応が限界を迎えていました。このような背景により、高齢者を社会全体で支える仕組みが必要となり2000年から介護保険制度がスタートしました。

介護保険とはどんな保険?

要介護認定・要支援認定を受けることで介護サービスを原則1割の負担で利用できます。ただし65歳以上で所得が一定以上ある方は2割・3割りの負担になります。

介護サービスを受けるためには「介護認定」を受けなければならず、要介護度は要介護1~5または要支援1、2のいずれかとなり介護度により受けられる限度額が変わります。

《サービス利用の限度額》(居宅サービスの1ヶ月あたりの利用限度額)

要介護5・・・362,170円        要支援2・・・105,310円

要介護4・・・309,380円        要支援1・・・50,320円

要介護3・・・270,480円

要介護2・・・197,050円

要介護1・・・167,650円

限度額の範囲内でサービスを利用した場合は、1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)の自己負担です。
限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担となります。

《保険料》介護保険の保険料は40歳から支払いが開始し、毎月の健康保険料と一体的に徴収されます。

次月は介護施設にはどのような種類のモノがあるのかを説明いたします。

2023年1月号 学び直しで自身のレベルアップ計画

「新年、あけましておめでとうございます。」 アーリーです。

昨年は波乱に満ちた1年でした。皆さんにとって身近な話題はなんと言っても物価上昇だったと思います。

日本は長年デフレが続いており、何を買うにしても値段が上がらない時代が続いてました。

しかし昨年は物価上昇元年といってもいい年でした。総務省が12月23日に発表しました11月の消費者物価指数は前年同月比の上昇率3.7%となり、伸び率は消費増税時も上回り、40年11カ月ぶりという上げ幅になりました。

電気代・ガス代のように20%以上の値上がりとなった項目もあります。23年も値上がりが継続するという予想もあり、できればこれに見合う大幅な賃上げを期待したいところです。

物価上昇に負けない給料UP

今年考えていきたいのは「物価が上昇した分、給料も上がるかどうか」です。しかし本来考えたいのは、物価上昇以上の給料アップでなければ意味がありません。

理想は「物価上昇率<賃上げ率」昇格・昇給を目指していきましょう!

年齢給やベースアップでも給料は微増します。しかしこれらは社会情勢により左右されます。

自分から積極的にスキル向上に取り組み、会社からの評価を高めて給料アップにつなげていき、本気で昇格・昇給を手に入れるためにがんばってみてはいかがでしょうか。

すぐにできることから始めよう

昇給は受け身では実現しません。昇格・昇給のために何ができるのかを考えみましょう。

・自分が勤める会社の社内規定を読込み昇格条件を確認する。

・何をすれば分からない人は信頼できる上司や先輩に相談。

・自分の今後のキャリアアップの計画を立てる。

 近年は、リカレント教育(社会人の学び直し)、あるいはリスキリング(職業能力の再開発、再教育)が注目されています。社会人大学院や会社が学び直しの場を提供してくれる研修を受けるのも良いでしょう。

仕事につながるスキルアップには資格取得も一つの方法です。また専門知識を習得したい場合は業界紙を通読するような習慣をけるのも有効です。自分に合った学びの場を探してみてください。

学び直しについては、国も手厚い支援を用意してくれています。

費用の補助金など様々な内容がありますので調べてみてください。

今の時代は、副業が当たり前になってきました。経団連調査では5割以上の企業が「副業を容認」と答えています。

生計維持の手段として認識されていた「副業」ですが最近はキャリア構築、人脈の獲得、能力開発として認識されています。国や企業も社員の成長を促しイノベーションにつながる働き方として注目されだしています。

収入アップの近道として考えられるのが転職です。転職は自分のキャリアの現在位置を確認し、これから進むべき方向性を考える良いきっかけになります。自分が属する業界の賃金レベルは他業種と比べてどうでしょうか?自分の能力に見合った収入を得るために、成長が見込まれる業界に移ることも選択肢の一つです。

いよいよ、新しい年が始まりました。現状維持では世の中の流れに取り残されてしまいます。昨年の自分を越えるために新しいスキルに挑戦してみてください。

2022年12月号 締切間近!マイナ保険証登録ポイント獲得チャンス

こんにちは。アーリーです。政府が進めているマイナンバーカードの取得率は、現在国民の約60%まで達成しています。

このマイナンバーカードを健康保険証と一本化にして2024年秋には現在の健康保険証を廃止すると政府が発表しました。今月はマイナ保険証を登録することでどの様なメリットがあるのかを説明します。

マイナ保険証の登録でどのように便利になるのか?

  • 転職・転居時の切り替えが不要に

今までは、転職や家族の扶養に入ったり、国民健康保険の場合は引っ越しする

度に保険証を切り替える必要がありました。その手間が不要になります。

  • 受付など敏速な病院事務

病院通いの時に、月をまたぐと保険証を病院窓口に提示しなければなりません。その手間が不要になります。

  • 過去の処方薬・診療データーの共有による医療の向上

今までは病院に行く度に記憶を頼りに過去の病歴をお医者さんに伝えていました。例えば違う病院では〇年前に○○といった治療をしてその後○○の薬をもらっていますといった感じですが、曖昧で間違えて伝える心配もあります。マイナ保険証を登録することで過去の処方薬・診療データーが共有されますのでお医者さんには正しい情報が伝わります。

  • 確定申告時に医療控除用データーを一括取得できる

1年間に支払った医療費の合計が世帯で10万円を超えると医療費控除を受けることができます。その際、領収書等をまとめて用意し確定申告を行わなければなりませんが、マイナ保険証では確定申告に必要なデーターを一括でダウンロードできます。

  • 高額療養費制度利用時の一時立て替えが不要

医療費が高額になった場合、高額療養費制度を利用することで一定額以上の医療費は支払わなくてよい制度です。しかし高額療養費制度を利用しても一旦立て替える必要がありましたが、その立て替えが不要になります。また現状は限度額適用申請書というものを提出することで立て替えを不要にできますが、その用紙も提出しなくてよくなります。

マイナポイント最大2万円がもらえます

マイナンバーを新規登録することで5000円分のポイントがもらえますが、さらにマイナ保険証を登録することで7500円・公金受取口座を登録することで7500円分の電子マネーがもらえます。合計最大20,000円分ものポイントがもらえることになります。ポイント獲得 締切日間近!

2022年12月31日までにマイナンバーカードの取得と健康保険証・公金受取口座の登録を行わなければなりません。この登録を行った人に限り2023年2月28日までに申請すればマイナポイントが付与されます。

申請方法

新規でマイナンバーを作成する人は市町村の窓口に行ってください。窓口に行けばすぐに発行してもらえます。郵送でもできますが1か月以上かかります。健康保険証と公金受取口座登録は市町村窓口か申請サイトから行えます。

2022年11月号 社会保険(労災保険)

こんにちは。アーリーです。「仕事でケガをしたら労災の対象」ということは知っている人は多いと思います。しかし具体的な条件や内容はどうなっているでしょうか?今回は、労災保険とはどんな内容なのか、改めてわかりやすく解説します。

労災保険とは

正式名称を「労働災害補償保険」といい、業務や通勤を原因としてケガ、病気、障害、死亡などが起こった場合に給付が受けられる制度です。

加入条件(1人でも従業員を雇っている会社は必ず加入しなくてはならず、会社に「雇用」されている人なら勤務日数や時間、雇用形態を問わず対象となります。)正社員だけではなくパートやアルバイト、日雇いなども対象です

保険料は100%事業者が負担します。

企業の代表者や役員、一人親方や個人事業主などは「労働者」に当たらないので加入対象とはなりません。ただし任意で労災保険に加入できる特別加入という制度もあります。

どんな場合に補償される?

労災保険が適用される労働災害は、業務に起因する「業務災害」と通勤時に起こる「通勤災害」の2種類に大別されます。

【業務災害が認められる条件】

業務災害と認められるためには、①業務中に起きた事故であること、②業務が事故の原因となったか両方の条件を満たさなければなりません。

【業務災害が認められる例】

  • 作業中の事故
  • 作業を中断しているときの事故(トイレや飲水などのために一時的に業務から離れるとき)
  • 作業の準備中または後始末中の事故
  • 緊急の業務中の事故(台風で飛ばされた会社の屋根の修理等、緊急業務を行っているとき)
  • 休憩時間中に事務所設備の不具合等による事故
  • 出張中の事故 など

【通勤災害が認められる条件】

通勤災害と認められるためには、「通勤」中といえるかがポイントとなります。

【通勤中として認められる例】

  • 業務に就くため(通勤)、または業務が終了したため(退勤)に行われる移動であること
  • 住居と就業先、就業先と次の就業先、単身赴任先と帰省先との間の移動であること
  • 合理的な経路(通常に利用する経路。住居と就業先との最短コースの他、交通事情のため迂回経路、子供を保育所等に預けるために取る経路も含む)および移動であること
  • 中断(通勤と関係のない行為を行うこと)または逸脱(通勤と関係のない目的のために経路を逸れること)していないこと

ポイント☞  通勤の中断・逸脱を行った場合、その間やその後の移動は通勤として認められませんが、日用品の購入、通院、介護など「日常生活上必要な行為」をやむを得ない事由により最小限の範囲で行う場合は、合理的な経路に戻った後の移動は再び通勤として取り扱われます。

 

労働災害(労災)と認められると以下のような補償を受けることができます

 療養補償給付・・・労働災害によるケガや病気が治癒するまでの費用(医療費)が給付されます。労災病院での受診は自己負担なしで治癒までに必要な療養または医療費の全額が受けれます。

休業補償給付・・・療養中の休業4日目から給付基礎日額の80%が支給されます。

障害補償給付・・・後遺障害が残った場合、一定額の年金または一時金が支給されます。

遺族補償給付・・・労災により労働者が死亡した場合、遺族には原則として遺族補償年金が支給されます。

2022年10月号 社会保険(健康保険)

こんにちは。アーリーです。先々月から社会保険について説明していますが、今月は健康保険制度について説明しようと思います。日本では国民皆保険制度(こくみんかいほけんせいど)といって、すべての国民が公的医療保険に加入しています。そのおかげで、全国どこでも病気のときなど安心して治療を受けることができます。

健康保険とは業務外の事由により疾病、負傷、死亡、出産について保険給付を行い、生活を安定させることを目的とした社会保険制度です。では、どのような場合に保障されるのかをみていきます。

保険給付の種類

【病気やケガをした場合】

・外来、入院の自己負担額・・

3割負担 (小学入学後~69歳)2割負担(小学校入学前・70歳~74歳)1割負担  (75歳以上)

※70歳以上でも現役世代並みの収入がある場合は3割負担

・高額療養費・・・

自己負担額が高額になり、家計にとって過大な負担が生じたとき、その負担を軽減する目的で設けられた法定給付です。

(給付例) 治療費に100万円かかった場合通常3割負担ですと一般的な収入の方は30万円を支払わなければなりません。しかし高額療養費の給付を受けた場合ひと月の負担は87,430円で済みます。月単位での計算になりますので治療期間が月をまたぎ2か月になった場合は87,430円×2の174,860円が上限になります。ただし4か月以降はひと月の負担額は44,400円に下がります。

※高額療養費の負担額は収入により変わります。詳しくは厚生労働省HPよりご確認ください。

・移送費・・・

歩くことができず、緊急でやむを得えない入院や転医が必要な方に対しては、いったん患者が立て替えた交通費などが、健康保険組合から現金で払い戻されます。

【病気やケガで働けない時】

・傷病手当金…病気やケガでの療養が4日以上続き会社からの給料が支払われないときは、健康保険より標準報酬月額の3分の2相当額が支払われます。最大1年6か月支給されます。

【出産したとき】

・出産育児一時金・・・妊娠4ヵ月以上(85日)経過した出産について、1児につき産科医療補償制度加入分娩機関で出産した場合は420,000円(死産を含み、在胎週数第22週以降のものに限る)、それ以外の場合は408,000円が支給されます。早産、死産、人工妊娠中絶のいずれについても支給の対象となり、異常出産で入院して出産したときも、同様に支給されます。

・出産手当金・・・出産のために仕事を休み、その期間給料が支払われないときには、標準報酬月額の3分の2相当額が支払われます。支給期間は、出産の日以前42日目から、出産の日の翌日以後56日目までを期限とした休んだ日分です。

【亡くなったとき】

・埋葬費・・・一律50,000円