№11 断熱性を高め、快適な環境を実現する

家を建てるときに絶対知っておきたいUA値

外気の影響から室内を守る

家族の健康のため、室内の温度差をなくし、快適な空気環境を保つには、気密性と同時に断熱性の高さも重要です。断熱性とは、熱の伝導をどれだけ防ぐことができるかということです。

家づくりでは、断熱材を利用し、外からの熱を伝えにくくし、また、家の中の熱をできるだけ外に逃がさないようにします。これによって冬の寒さや夏の暑さが室内に侵入しないのです。こうした気密性、断熱性の良し悪しを計るものとして(UA値(外皮熱貫流率)というものがよく用いられます。UA値は、住宅の床や壁、屋根などから外にどのくらいの熱が逃げていくかを数値化したもので、値が高いと熱が逃げやすく、低いと熱が逃げにくいことを表しています。つまり、UA値が低いほど気密性、断熱性に優れているわけです。そして、室内の熱が逃げなければエアコンなどに過剰に使う必要がなくなり、電気の使用量削減にもつながります。

マイホームを建てる際には、自分が家を建てるエリアのUA値はいくつにしなければならないのかを、ぜひ事前に確認してください。最低でもZEH基準となる0.6以下(東北地域は0.5以下)であることが重要です。この基準を満たせない家は、省エネ性能が劣っている劣悪な家です。絶対に建ててはいけません。

ハウスメーカーなど建築士には、新築住宅や増改築を行うお客様(施主)に対して、その家の省エネ基準に適否を説明する義務があります。フラット35もUA値が0.6以下でないと借りられなくなる(2022年10月から)ため、ぜひ確認をしてください。

 

UA値を事前に調べておこう

・UA値とは?

住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などを通過して、外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値。値が小さいほど熱が逃げにくく省エネルギー性能が高いことを示している。

外皮熱貫流率(UA値)= 熱損質量(W/K)÷ 外皮面積(㎡)