№44 基礎部分は絶体穴を開けてはいけない

大雨による浸水被害から家を守るためにできること

「穴」から始まるリスクを防げ

№8~№24で紹介した換気システム「エクリア」に出会うまでは私自身、家の基礎部分の外側に、給気・排気用の穴を2カ所開ける換気ユニットを採用していました。しかし、西日本豪雨で被災した家を視察した時、「これでは、ダメだ!」と愕然としました。室内に入った途端、冷蔵庫が水に浮かんでいる姿が目に飛び込んできたのです。浸水の程度はそれほどの水位ではなかったものの、1階は泥水が入り全滅でした。

その原因は基礎部分に開けた2つの穴です。そこから入った泥水が床の上にあがり、手もつけられないような大惨事となったのです。また、大阪府北部地震の際、高槻市の被災住宅ではこの穴が原因で基礎にクラック(割れ目)が入り、基礎部分が大きく損傷しました。どちらも基礎部分に穴がなければ、このような被害はなかったかもしれません。

過去に経験したことのない長雨で河川が氾濫し、予想もしなかった地域が被災するニュースが続いています。マイホームを考える時には、こうした災害が起こりえる時代に生きていることを忘れないでください。外観のデザインや間取り、内装などこだわりはたくさんあるでしょうが、まず優先していただきたいのは、自分たちの命と暮らしを守れるかどうかでしょう。

ニュースなどの映像をみているだけではわかりませんが、現地に行って思い知らされるのは、被災後の悪臭です。下水や生活排水も含んだ汚水や汚泥に浸かるとそのまま使用するのは難しくなります。とにかく家の中に侵入させないことが一番です。