2023年11月号 実質利上げで変わる住宅ローンの借り方

こんにちは、アーリーです。11月に入りましたが、今年は暖かい日が続いています。11月といえば紅葉の季節ですが、気温が8度を下回らないと紅葉は始まらず、5~6度で急速に進むそうです。 今年の見ごろはもう少し先になるかもしれません。
さて、昨今の急激なインフレにより住宅ローンの金利が上がるのかが心配な方が多いようです。今回は住宅ローンの金利の決まり方について説明いたします。

日銀が2022年12月に長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げました。そして今年10月には上限1.0%を目途にすると発表しました。
これにより住宅ローンの金利が「上がるのでは?」ということです。

結論から言うと、新規で固定金利でローン組もうと考えている方は金利上昇の影響をもろに受けます。
しかし、現在変動金利で借りている方やこれから変動金利でローンを組もうとしている方には影響はありません。

固定金利と変動金利の決まり方

住宅ローンの種類には、固定金利と変動金利の2種類があります。

固定金利とは

契約当初に決めた金利が一定で今後世の中の金利が上がってもローン金利が上がることはありません。
金利が一定ですので返済計画のシュミレーションがしやすく、返済計画も立てやすいのが特徴です。
将来、返済額が増えることはありませんので安心でが、金利は変動金利より高めです。

変動金利とは

固定金利よりかなり低い金利に設定されています。ただし金利は半年に1回見直されますので、将来金利が上がるリスクがあります。また金利が見直された場合、上昇は最大0.25%までだと決められています。
固定金利に比べて金利が低いため毎月の支払は少なく抑えられるため、圧倒的に変動金利を選ぶ人が多いです。
ただし将来金利が上昇した場合、毎月の返済額が増えますので余裕を持った額でローンを組むことをお勧めします。

🔷固定金利の決まり方

固定金利は「10年物国債の利回り」を基準として決まります。今回、日銀が長期金利の上限を引き上げたのはこの「10年物国債」のことです。
この10年物国債の金利から決まった金利のことを「基準金利」といい、「基準金利」から各銀行が独自に「優遇金利」を引いたものが「適用金利」となります。
この優遇金利は割引のようなもので、個人の信用力や金融機関によって異なります。

🔷変動金利の決まり方

変動金利は「日銀の政策金利」に連動する「短期プライムレート(銀行が企業に融資する際の最優遇金利)」に1%上乗せした金利になります。
この金利から「優遇金利」を引いたものが変動金利の「適用金利」になります。

ここがポイント

ここまで読んでいただいた方の中には、変動金利の今後の動向が気になる方も多いと思います。
実は、短期プライムレートは2009年から1.475%と一定で動きはありません。将来の金利変動は誰にもわかりませんので、常に市場動向をチェックしておかなければなりませんが、この原稿を書いている時点では当分の間は上昇しないというのが大方の見方です。
住宅購入を考えている方はホッとすると思います。
しかし金利が上がらないということは経済力が弱いということですので一概には喜べることではありません。

次号は変動金利と固定金利のどちらで購入するのがお得なのかをシュミレーションを用いて比較してみたいと思います。