2023年3月29日 / 豆知識
せっかく建てたのにガッカリ…とならないために
黒ずみ壁の原因は換気と空気の不足
住宅街を歩いていると、北側の外壁が黒ずんでいる家を見かけることがあります。これは、壁の内部に溜まった水蒸気が結露し、柱と柱の間にある断熱材(グラスウール)に発生したカビが外壁に染み出ている状態です。見た目に美しくないのはもちろんですが、壁内のカビを含んだ空気は室内にも侵入しますから、そんな環境ではとても健康には暮らせないでしょう。
ちなみにこのような家は断熱材を変えたとして換気システムを選択しているからです。この換気システムは、給気は換気口から自然の風まかせで空気を取り込み、排気は、機械で住宅内の空気を24時間ずっと吸い出し続けるというものです。空気が機械で強制的に出されると、住宅内の気圧は屋外の気圧よりも低くなります。空気は気圧の高い方から低い方へと流れていくものなので、換気口があるだけで自然に外気を室内に取り入れられるわけです。しかし、この換気システムでは外の暑さや寒さがそのまま住宅内に入ってくるため、換気口を閉じてしまいます。そうなると換気不足になり、壁内結露が起こるのです。こうした理由から第三種換気システムはおススメしません。家族の健康のために換気システムもしっかり吟味してください。
住宅の換気設備の多くは、第一種換気システムか第三種換気システムのいずれかです。第一種換気システムは給気と排気の両方を機械で行い、第三種換気システムは、給気には機械を使わず、排気のみ機械で行います。どれが良いかはもうおわかりでしょう。
第一種換気システムと第三種システム(住宅の換気方法は主に2つ)
①第一種換気システム
「給気」と「排気」ともに換気扇で行います。空気の流れが制御しやすく、より確実に換気できる換気方式。
②第三種換気システム
「排気」のみ換気扇で行います。自然給気口から効率のよい「給気」は難しいのが現状